検査数値をどう見るか・・・尿沈渣は?

尿沈渣  尿中の固形物の種類と量を調べる
基準値  何もないか、赤血球・白血球の数が10以下
この検査で何がわかるか?
 尿たんばくや尿糖などの尿検査で、腎臓や尿管の病気が疑われるとき、さらに詳しく調べるために行われます。とくに尿たんばくが陽性の場合には必ず行われます。
 新鮮な尿を遠心分離器にかけて、尿の固形物(沈渣)と液体にふるいわけます。すると尿に含まれていた赤血球や白血球、細菌、上皮細胞、円柱(透明でゼリー状、健康人の尿にも少量あり)などの固形物が沈澱します。これを顕微鏡で調べるのです。
 腎臓や尿管、勝胱の病気だけでなく、白血病、紫斑病のような全身の病気の診断にも大きな手がかりになります。
異常値が出たときに疑われるおもな病気や状態
●赤血球が増えた場合
・腎臓や尿路の炎症:腎孟腎炎、勝胱炎、尿道炎、前立腺炎、急性腎炎
・腎臓や尿路の結石・腫瘍
・全身疾患の出血傾向:白血病、紫斑病、血友病
●白血球が増えた場合
・腎臓や尿路の炎症
・白血病
●上皮細胞が見られる場合
・尿路の炎症
●円柱が見られる場合
・腎炎
・高血圧
・膠原病

ワンポイントアドバイス

 この検査に限らず、尿検査を受けるときは尿の採り方に注意しましょう。
尿は出はじめと終わりのものは捨て、中間の尿だけを検査用のコップに1/3〜1/2くらい入れます。尿を採ったコップに陰毛などが入っても、指ですくったりしないでください。指についている雑菌が混ざる可能性があります。
また、月経中の女性は、事前にそのことを医師や係の人に告げましょう。

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