適応する病態は、何らかの原因による頭面部や身体上部の皮疹で、かゆみ・疼痛・
遊走性あるいは拡大傾向をもち(風証) 発赤・腫脹・熱感・化膿傾向などの炎症(熱証)をともなうものです。
防風・荊芥・白芷・川芎・連翹は、いずれも表在血管を拡張して発散・発汗を強め、発汗・解熱に働きます。
防風・荊芥・薄荷は皮疹の発散・消退をはやめ、止痒・鎮痛の効果を示すほか消炎・抗菌作用をもちます。
白芷は強い鎮痛作用をもち特に前額部の痛みに効果があり、抗菌・排膿にも働きます。
川芎も頭痛に効果を示し、血行を促進することにより他薬の効能をつよめ(とくに身体上部に作用するとされる)、抗菌・排膿・鎮痒に働きます。
連翹・山梔子・黄連・黄芩は、つよい消炎作用を持ち炎症・充血・化膿をしずめ、解熱・抗菌・鎮静の効果をあらわします。
連翹・黄芩は利尿作用により解毒を補助します。
甘草は消炎・解毒にはたらき、桔梗は消炎・排膿・鎮咳・痰作用をもち、川芎・白芷とともに諸薬を上部に働かせるとされています。
枳殻は排膿に働くと同時に蠕動促進により、諸薬の吸収をつよめる作用があります。
以上のように、消炎・解毒・化膿の抑制・排膿・抗菌・皮疹の発散と消退の促進・止痒・鎮痛・発汗・解熱などの効果が得られます。
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