十味敗毒湯のことなら家庭の中医学。十味敗毒湯の処方解説は家庭の中医学が参考になります。  
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十味敗毒湯 中医学処方解説 ジュウミハイドクトウ
十味敗毒湯エキス顆粒「クラシエ」 90包の画像
 十味敗毒湯
 

「十味敗毒湯[ジュウミハイドクトウ]」は、我が国江戸時代、世界で初めて乳癌の麻酔術を行った世界的な医学者華岡青洲[ハナオカセイシュウ]によって創られた『瘍科方筌[ヨウカホウセン]』に収載されている薬方です。癤(セツ・できもの)や急性で発赤し腫れて痛みのある化膿性の皮膚疾患、湿疹、じんましんなどかゆみや熱をもったり化膿するおそれのある皮膚疾患に広く使われています。


日本漢方の効能・・・化膿性皮膚疾患・急性皮膚疾患の初期、じんましん、急性湿疹、水虫

販売、及び製造している代表メーカー

クラシエ,ツムラ


  十味敗毒湯 処方構成
柴胡桔梗川芎防風茯苓・桜皮・生姜各3.0
独活荊芥甘草各2.0

  十味敗毒湯 中医学解説
【効能】 去風化湿・清熱解毒
【適応症】 風湿熱の皮疹。袪風と清熱、排膿利水の薬物配合より構成されています。このことから消炎、抗化膿抗菌、止痒、浮腫や分泌物の消退などの作用をもち、皮膚の炎症・化膿に有効であるが、消炎効果はあまり強くないため一般には化膿しかけた初期に用いられます。
【類方比較】 消風散:患部の湿潤と、掻痒感が顕著で痂皮(かさぶた)の形成と苔癬化があり、口渇を伴う場合に用いられます。
温清飲:患部は赤みを帯び、熱感があり、掻痒感がひどい場合に用います。
加味追遥散四物湯:体質が虚弱で手足が冷えて疲れやすく、めまい、動悸、不眠などの訴えのある人の慢性の皮膚疾患に用います。
葛根湯:多くは上半身の急性発疹で、発赤、腫脹、掻痒感の強い場合に用います。
清上防風湯:上半身、特に頭や顔面に限局する化膿性皮疹に使用します。
【解説】

防風・荊芥・独活・川芎・生姜は、体表血管を拡張して発汗し、皮疹を透発させます(袪風解表)。

防風・荊芥は、かゆみをとめ、川芎・独活は鎮痙作用をもちます。柴胡・連翹・桜皮・甘草は、消炎、解熱、抗菌に働き化膿を抑制します(情熱解毒)。

桜皮・桔梗は、排膿作用をもち、柴胡・甘草は、鎮静と自律神経系の調整に働きます。 茯苓は、組織や消化管内の水分を血中に吸収して利尿作用により除きます(利水)。防風・独活は、利尿を補助します。

【治療の現場から】 慢性炎症には、温清飲を合方します。
十味敗毒湯 心窩部のつかえ・季肋下部の軽い圧痛や抵抗
胸脇苦満
患部に化膿性の湿疹

※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【使用上の注意】 症状が悪化したときには中止します。
【臨床応用】 皮膚化膿症・湿疹・じんましん・皮膚炎などで、風湿熱を呈するものに使用します。

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