桃核承気湯のことなら家庭の中医学。桃核承気湯の処方解説は家庭の中医学が参考になります。  
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桃核承気湯 中医学処方解説 トウカクジョウキトウ
桃核承気湯エキス顆粒「クラシエ」 90包の画像
 桃核承気湯
 

「桃核承気湯」は、漢方の代表的な駆オ血剤(オ血をとる薬方)です。日頃、丈夫で便秘がち、のぼせが強くて足腰が冷えるような人の場合に使用しま。瘀血とは微少血管の血流がわるくなって停滞することを言いますが、俗に“血の道”などとも言われ、婦人の生理異常、外傷や打撲、炎症、種々の原因によるうっ血などで起きるものです。


日本漢方の効能・・・比較的体力があり、のぼせて便秘しがちなものの次の諸症:腰痛、月経不順、月経困難症、月経時や産後の精神不安、便秘、高血圧の随伴症状(頭痛、めまい、肩こり)

販売、及び製造している代表メーカー

クラシエ,ツムラ


  桃核承気湯 処方構成
桃仁5.0
桂枝4.0
芒硝2.0
大黄2.0(適量)
甘草1.5

  桃核承気湯 中医学解説
【効能】 清熱瀉下・活血逐瘀
【適応症】 下腹部の痛みや圧痛あるいは抵抗・不正性器出血・月経困難・便秘などの症候があり、下肢の冷え・下腿静脈怒張・外痔核などあるいはのぼせ・頭痛・肩こり・鼻出血・不眠・動悸などをともなうこともあります。舌質は紅~紫・舌苔は黄・脈は渋。発熱性疾患の経過にみられます。
下腹部がたく脹って痛む(少腹急結)・圧痛・抵抗・便秘(あるいはテール便)・排尿には異常がない(あるいは血尿)・不正性器出血などの症候で、熱は夜間に高くなり、甚だしい場合には意識障害や狂躁状態を呈します。舌質は紅でやや乾燥・舌苔は黄・脈は沈実。
【類方比較】 桂枝茯苓丸:痰湿や貧血傾向が少なく、下腹部の自発痛、圧痛がより顕著な場合に用います。(瘀血の証)
加味逍遥散:精神不安、不眠などの神経症状や熱証があって、多彩な愁訴をより強く訴える場合に用います。
当帰四逆加呉茱萸生姜湯:四肢冷感が一層顕著で、腹部、腰部・下肢が痛む場合に用います。
【解説】

桂枝は、血管拡張により諸薬の吸収を促して効能を高め、同時に鎮痛にも働きます。

桃仁は、主に骨盤内腔の血管拡張によりうっ血を除き血腫の分解、吸収に働きます(活血化瘀)。

大黄も、骨盤内や腸管、腸管膜の血管を拡張して充血させ、桃仁の効果を補助します。大黄・芒硝は、大腸性の瀉下作用により、糞便を除き、腸管内の毒素の吸収をブロックし、代謝産物の排泄を強めます。

これによって活血化瘀の効果が強められます(逐瘀)。桃仁も、油性成分により糞便を軟化してこれを助けます。桂枝は、主に動脈側の血管拡張により血行を促進し、活血化瘀の効果を補助します。また、消化液の分泌、蠕動の促進などにより吸収を強めます。

甘草は、諸薬を調和させ、作用の行き過ぎを抑えます。大黄は、消炎、抗菌に働きます。

【治療の現場から】 桂枝茯苓丸:下腹部の抵抗、圧痛が比較的軽度の場合に用います。標準的駆瘀血剤。
当帰芍薬散:冷え性、血色不良の人で、腹壁が軟弱で、下腹部の抵抗、圧痛が一層軽度の場合に用います。血虚と水毒の証。
加味逍遥散:気血両虚で肝うつ化火(いらいら、のぼせ、はてりなどの熱証)をともなうものに使用します。婦人科疾患とともに自律神経の過興奮を呈するものが目標です。
桃核承気湯 左下腹部(左腸骨窩)に多くみられ顕著な圧痛・擦過痛を伴う抵抗ないし束状抵抗が多くみられます

※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【使用上の注意】 軟便下痢の人には使用しません
【臨床応用】 習慣性便秘・自律神経失調症・更年期症候群・打撲・冷え性・頭痛症・肩こり症・鼻出血・高血圧症・月経困難症・月経不順・産後の悪露停滞・骨盤内血腫・骨盤内炎症・子宮内膜炎・附属器炎・外痔核・下腿静脈瘤・開腹術や人工流産の後・腸管癒着・腸閉塞の初期などで、下焦の血オを呈するもの。あるいは発熱性疾患で、蓄血証を呈するものに使用します。

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