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 ハンゲ・・半夏

ハンゲ・・半夏

  ハンゲ・・半夏  
ハンゲ・・半夏
【基 原】
サトイモ科 Araceae 半夏 Pinellia ternata (Thunb.) Breit. (カラスビシャク)の球状根茎を乾燥したもの、一般に炮製する必要があり、現在は生姜を加えて炮製した姜半夏をよく使用する。処方に法夏(法半夏)・姜夏(姜半夏)・製半夏としてあるときは、姜半夏を用いる。清半夏は、明礬水に浸してから十分水でさらし・蒸して作ったものである。広東では一般に姜製のものを用いない。


ハンゲ・・半夏
【出典】 神農本草経 下品
【別名】 地文(チモン)、水玉(スイギョク)、守田(シュデン)、珠半夏(シュハンゲ)
【成分】 ホモゲンチジン酸(homogentisic acid)、エピデリン(ephedrine)、アミノ酸、精油成分、多糖類、粘液質などを含む
【効能】

鎮嘔、鎮吐、鎮静、鎮咳、去痰、唾液分泌亢進

【薬理作用】 和胃止嘔・燥湿去痰・散結消腫
制吐作用・催吐作用・鎮静作用・眼圧低下作用
【臨床応用】
  1. 嘔吐に、制吐作用を利用する。湿邪による嘔吐に効果がある。古人は経験的に、“胃寒による嘔吐には半夏が最適である”としている。臨床では、以下のような嘔吐に使用する。
    1. 急性消化不良症による嘔吐で、心窩部がつかえて苦しいときに用いる。
    2. 慢性胃炎による嘔吐で、上腹部痛・曖気・食欲不振などの脾胃気虚の症状をともなうときに使用する。
    3. 妊娠嘔吐に用いる。
  2. 去痰に用いる。咳嗽・多痰・白く粘稠な痰・胸腹部が苦しいなどの湿痰の症状(慢性気管支炎・気管支拡張症にみられる)に使用する。頭痛・咳嗽・多痰・ときによだれを吐く・寒がる・寒さをきらう・眩暈などの痰厥頭痛の症状に対して用いる。
    古人は経験的に、“足の太陰(脾経)の痰厥頭痛は半夏でなければ治療できない”としているが、この面での半夏の作用機序は去痰・鎮静であると考えらえる。
  3. 生半夏をつぶして化膿症に外用すると、神経末梢に対して麻痺作用があるらしく、痛みが止まる。また皮膚炎には生半夏を酢とすりつぶした汁を使用する。
    (附)急性緑内障による頭痛・眼痛・悪心に対しては、半夏で対症的に治療できると述べている人もある。実験的に眼圧低下作用があるためである。
【性味】 味は辛、性は温。有毒。
【帰経】 脾・胃経
【処方】 小半夏加茯苓湯半夏厚朴湯半夏瀉心湯温経湯五積散柴胡加竜骨牡蛎湯柴胡桂枝湯小柴胡湯小青竜湯参蘇飲大柴胡湯釣藤散二朮湯二陳湯麦門冬湯半夏白朮天麻湯抑肝散加陳皮半夏六君子湯など
【用量】 9~12g
【使用上の注意】
  1. 半夏の性質は辛燥で、咽乾・舌のしびれなどの副作用がある。生半夏の性質はさらに激しく、咽喉の刺激・舌の腫脹・失声・嗄声などの中毒症状が発生するので、一般に十分に炮製してから使用すべきである。実験によると、明礬・生姜で炮炙したときには、明礬は動物に対する半夏の発声障害を除去し、生姜は半夏の制吐作用に協同的にはたらく。“半夏を炮製すると薬力が低下するので生半夏を用いるべきで、副作用の緩和には生半夏を砕いて生生姜に10分ぐらい漬けるだけでよい”と主張する人もいるが、一般に内服するときは生半夏は使用すべきでない。寒痰による呼吸困難・咳嗽で生半夏が必要なときには、生姜を多量に加えて毒性を弱めるとともに去痰・鎮咳の作用を強めるべきである。
  2. 姜半夏(法半夏)は燥湿・去痰・制吐の力が強いので、脾湿(脾気虚のため水分代謝が障害されて生じた“湿”)による胃内の分泌物停滞(痰飲)・唾液が多く嘔気をともなう寒痰によく用いる。
    清半夏は辛燥の性質が非常に弱くなっているので、虚弱で痰が多く・寒湿の程度が軽いときに適している。このほかに清半夏と小麦粉を発酵させて作った半夏麹があり、辛平・微甘で温胃化滞・解欝の効能があるので、腹が脹り嘔気をともなう脾胃気虚に適する。
  3. 川貝母との比較:両者とも去痰作用があるが、半夏は辛温で湿痰に、川貝母は苦涼で熱痰に適している。また、半夏は(茯苓を配合して)胃中の痰を、川貝母は(陳皮を配合して)は胃中の痰を除く。一般には、川貝母と半夏を併用すると去痰の力が全面的で強力になる。
  4. 陰虚・熱証・出血・肺燥で痰が喀出しにくいときなどには用いるべきでない。寒湿が原因でない咳嗽・痰・嘔吐には用いるべきでない。妊婦には用いない方がよいが、状態に適合しているときには用いてもよい。ただし法半夏を使用すべきで、紫苑・括楼皮で代用してもよい。
  5. 半夏を服用して中毒症状があらわれたときには、砂糖で漬けた生姜片を服用するか、生姜を砂糖漬けにした汁を飲むと緩解する。
  6. 習慣的に半夏と烏頭の配合は禁忌とされているが、最近のいくつの実験によると、半夏と烏頭を混合して動物に投与しても重篤な反応は起こらない。
【産地】 中国、韓国、日本

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