大柴胡湯のことなら家庭の中医学。大柴胡湯の処方解説は家庭の中医学が参考になります。  
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大柴胡湯 中医学処方解説 ダイサイコトウ
大柴胡湯エキス顆粒「クラシエ」 90包の画像
 大柴胡湯
 

「大柴胡湯」は、漢方の古典といわれる中国の医書『傷寒論[ショウカンロン]』『金匱要略[キンキヨウリャク]』に収載されている薬方で。便秘ぎみ、またはみぞおちから上腹部にかけてつまったような感じがしたりする方の血圧が高くて肩こり・頭痛・便秘の症状や、肩こり、常習便秘、胃炎、肥満症に効果があります。


日本漢方の効能・・・がっしりとした体格で比較的体力があり、便秘の傾向にあるものの次の諸症:胃炎、常習便秘、高血圧に伴う肩こり・頭痛・便秘、肩こり、肥満症

販売、及び製造している代表メーカー

クラシエ,ツムラ


  大柴胡湯 処方構成
柴胡6.0
生姜4.0
黄芩芍薬半夏大棗各3.0
枳実2.0
大黄1.0(適量)

  大柴胡湯 中医学解説
【効能】 和解半表半裏・瀉下熱結・疏肝解欝・理気止嘔・清熱瀉下
【適応症】 発熱性疾患の経過にみられる、往来寒熱・心下部のつかえ・悪心・嘔吐・いらいら・口が苦いなどの半表半裏証(少陽病)に、腹部膨満感・腹痛・便秘あるいは下痢の裏熱(陽明病)をともなうものに用います。舌質は紅・舌苔は黄・脈は弦で有力。ゆううつ感・いらいら・怒りっぽい・不眠・顔面紅潮・目の充血・脇部が脹って苦しい・口が苦いなどの肝欝化火の症候に、悪心・嘔吐・上腹部膨満感・便秘などの胃気上逆をともなうものにも良く使用します。舌質は紅・舌苔は黄・脈は弦数あるいは沈弦。
【類方比較】 小柴胡湯:胸脇苦満も大柴胡湯より弱く便秘が無い人に使用します。
柴胡加竜骨牡蛎湯:胸脇苦満と動悸、精神症状を伴う場合に使用します。
茵陳蒿湯‥腹満し、裏熱と黄痘、尿赤渋の傾向がある人に使用します。
【解説】

柴胡・黄芩・大黄は、消炎、解熱、抗菌作用をもち、炎症をしずめます。(清熱)

柴胡・芍薬・大棗は、鎮静作用をもち、自律神経系の調整に働いて、いらいら、不安、ゆううつ感、緊張感などをしずめます。(疏肝解欝)

半夏・生姜は、中枢性、末梢性に強い制吐、鎮嘔作用をあらわし、悪心、嘔吐をとめ、(和胃止喝)枳実は、蠕動を強め、食道、幽門、胆道などの平滑筋けいれんによるジスキネジーを緩解し、通過をスムーズにします。(理気)

半夏・生姜も蠕動を調整し、柴胡・黄芩・大黄は、利胆作用をもちます。芍薬・大棗は、鎮痙、鎮痛に働き、滋養強壮作用により、体を栄養、滋潤します。大黄は、大腸性の瀉下作用により通便し、腸管内の毒素の吸収を防止します(瀉下)。枳実はこの効果を促進します。

【治療の現場から】 腹部膨満感が強ければ、半夏厚朴湯を合方します
悪心、噂吐(水様物)が強ければ、小半夏加茂苓湯あるいは半夏厚朴湯を合方します
黄疸があれば、茵陳蒿湯を合方します。
炎症が強ければ、黄連解毒湯を合方します
加齢などにより、腎虚をともなうときは、六味丸を合方します
大柴胡湯 胸脇苦満が強い
便が硬い(便秘傾向)
季肋部(キロクブ)の苦悶感が強く、下腹部(小腹)の張りがある
※この目標に必ずしもこだわる必要はありません。
【使用上の注意】 陰虚、陰虚火旺のもの。虚弱者、胃腸の消化吸収の悪いものには用いません。
【臨床応用】 インフルエンザ・急性肝炎・慢性肝炎の急性化・胆のう炎・急性膵炎・腎盂炎・肋膜・大腸炎・中耳炎・咽頭炎などの発熱性疾患で、少陽陽明合病を呈するもの。あるいは、自律神経失調症・神経症・神経性胃炎・胃十二指腸潰瘍・胆石症・高血圧症などで、肝欝化火・胃気上逆を呈するものに使用します。

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