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  胃腸病と漢方

胃腸病の治療法


梅雨時や夏になると多くなる胃腸病。身近な病気であるだけに市販薬もたくさん出回っています。しかし、合う薬がなかなか見つからず、症状が慢性化してしまっている人も多いようです。現代医学と中医学の両面から、さまざまな胃腸病について解説いたします。
現代医学による胃腸病の診断と治療
胃腸病のメカニズム中医学の考え方
胃腸の治療法
食生活と胃腸病
   
1 胃は悪いが腸は正常?
  中医学では、胃腸をはじめ、膵臓・肝臓・胆嚢・小腸といった消化器系の臓器はすべて協調しあって連動しており、それぞれの臓器が単独で病気になることは無いと考えています。つまり、「胃は悪いが腸は大丈夫」「いつも下痢気味だが胃は大丈夫」といった考えはあてはまりません。  消化器系は脾胃と総称されます。薬も「慢性膵炎」「慢性肝炎」といった病名にあわせてチョイスするのではなく、それぞれの体質、原因・症状・病気の性質を見きわめて、体がどんな状態にあるかを判断して選びます。ただし、急性の症状で原因が分からない場合は、急性虫垂炎や食中毒、その他の重大な病気が隠されていることも考えられますので、医師の診断が必要です。
2 もともと脾胃が弱い人
  いつも胃腸の調子が悪く、痩せて青白い顔をしている、何となく元気がない、疲れやすいという人は、体質的に胃腸が弱い人です。受け入れても、吸収して利用する力もよわいため、食べたものが身にならず、栄養を残したまま排出されてしまうのです。長年にわたっていろいろな胃腸薬を試しているような人は、このタイプが多いようです。こういう人は、「補中益気湯」「六君子湯」など脾胃の力を補う薬が用いられます。
また、胃腸がもともと弱いために、体に必要な水分の供給が十分行われない場合があります。
 (脾陰虚)顔色が黒い・唇や手足がカサカサしている、舌の色が赤い、食べるとおなかが張る・吐き気がしやすい・しもやけになりやすいといった症状がある場合は「参苓白朮散」がよいでしょう。
3 水分代謝が悪い人
  胃腸がもともと弱い人は、栄養代謝が悪いと同時に、栄養物質が消化吸収されずに液状のまま体内に滞ったもの(「湿」)が体内に生じやすくなっています。湿は、脾胃の消化機能を邪魔する性質をもっているので、体の中に悪循環がおこります。そして、長い間には余った水分(「水飲」)を脾胃に滞らせてしまう原因ともなるのです。また、もともと胃腸がそれほど弱くない人でも、不摂生を続けていると水飲がたまってしまうことがあります。こうなると、胃腸の調子が何となく悪いというだけでなく、何かが使えた感じがするようになります。
そして、ゲップや酸っぱい水があがってきたり、食欲が無くなる、みぞおちのあたりが張る、大便が軟らかくなるといった症状が顕著になります。また、舌が白い苔状のものに覆われたり、ふくらはぎのあたりが非常にだるくなったりします。こういう場合には、もはや脾胃の力を補うだけでは不十分です。「平胃散五苓散の併用」をあたえて、体内の余分な水分を取り除くようにします。
4 胃潰瘍の治療
  胃潰瘍を大きく分けるとストレスや大きな悲しみから起こる急性のものと、胃弱から移行した、慢性のものとがあります。この病気はもともとなりやすい素質を持っている人が多く、いったん患うと、治りにくく再発しやすいという特徴があります。
 慢性の胃潰瘍の人に圧倒的に多いのは、「寒い」タイプです。冷たいものをきらい、空腹時におなかがシクシクと痛み、腹部を触られると気持ちよく感じます。この場合は、脾胃を温める作用をもつ「安中散」がよく効きます。安中散には、肝の機能を助ける桂枝や延胡索(えんごさく)といった生薬も含まれていますので、ストレスなどが大きな原因になっている胃潰瘍にも合います。
また、急性の胃潰瘍の場合は「熱い」タイプの人も多く見られます。体に熱をもっている人はたいてい胃腸が丈夫なのですが、過信して暴飲暴食をしたりすると、うっ血して潰瘍ができてしまうのです。
熱いタイプの場合、症状は激しいのですが、治りも早いのが特徴です。
5 過敏性大腸炎の治療
  心配事や悩みごとで胃痛を感じるのはよくあることですが、中には、試験日の朝になると何度もトイレに行きたくなるなど、精神的なプレッシャーを感じるとすぐ下痢をしてしまう人もいます。これは、精神的や情緒をつかさどる肝と脾の関係がうまくいっていないために起こる現象です。
こういう場合は、肝と脾を同時に治療する「逍遥散」がよく合います。ただし脾胃がもともと弱い人は、肝の働きが正常なのにもかかわらず、相対的に肝の力が強くなっている場合があります。
 こういう人は、「柴胡桂枝湯六君子湯」を併用します。このように肝と脾の働きを調和させる薬を使って治療します。
6 胃腸にくる風邪
  梅雨時や夏など、高温多湿の季節にかかりやすいのが胃腸性のかぜです。吐き気や嘔吐・腹痛・下痢などの症状に伴い、他の風邪と同じような呼吸器症状があります。こういう場合には「藿香正気散」がピッタリあいます。また、かぜの薬の副作用で胃腸の調子を崩してしまうことがあります。 一般の風邪薬には、解熱剤や消炎剤のように熱をとる成分が入っているため、胃腸が「寒い」状態になり、消化吸収能力が低下してしまうのです。こういう場合は、脾胃を温める作用をもつ「安中散」が良いでしょう。
同じ病後でも、熱病や慢性病のあとでお腹は空いているのに食べられない、ゲップや胸やけがある、のどが渇く、舌が赤く潤いが少ないという症状が出たときは、胃が乾いた状態になっていると考えられますので、「麦門冬湯」で胃を潤し、正常な働きを促します、

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