花粉症は、鼻症状以外に眼、皮膚、気管支などに花粉の付着によって引き起こされます。
症状としては“くしゃみ・水っぽい鼻みず・鼻づまり”が中心の「寒い鼻炎」と“眼のかゆみ・充血・粘い鼻みず”が中心の「熱い鼻炎」とに分かれます。
“くしゃみ”は、本来、外邪を外に追い払うための生理的な防御反応ですが、花粉症では、くしゃみが連発し必要以上に過剰に反応しているものです。これは、体表を防衛する陽気がスムーズに流れないため生理的な反応が爆発的に発生するのです。
“鼻みず”は、透明で多量なものは、寒(カン)や湿(シツ)としてとらえ、粘性で黄色のものは、湿が煮詰まったものとして捉えています。
“鼻づまり”は、湿が停滞し、むくみとなって鼻腔を塞いでいるか、肺気が充満し鬱熱となって鼻づまりを起こしているかのどちらかとして捉えられます。
“痒み”は、風(フウ)として捉えられますが、熱感を帯びることが多く、鼻がむずむずする症状が見られます。また熱が燥(ソウ)に変わってくるとヒリヒリする感じになります。
このように、花粉症といっても人によって症状が異なりますので、治療については、どんな症状が一番辛いのかにより、対応も異なります。ただし、上記のごとく、陽気を持ち上げて防衛力を高めるか、寒や湿を取り除くか、鬱熱をさまし肺気を巡らすか、潤いを与えて乾きを止めるかが、治療の原則です。
くしゃみやみずっぽい鼻みずの場合には、小青竜湯(ショウセイリュウトウ)が適用されます。くしゃみがひどく、さらに陽気を持ち上げ巡らす場合には麻黄附子細辛湯(マオウブシサイシントウ)を加えていきます。鼻がつまる場合には小青竜湯加桔梗・石膏(キキョウ・セッコウ)が用いられます。眼が痒く、充血している場合には小青竜湯に茵ちん蒿湯(インチンコウトウ)を加えると眼の充血や涙目が抑えられます。ヒリヒリする場合には小青竜湯合麦門冬湯(バクモンドウトウ)が適用されます。