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  肩こりと漢方薬

主な症状と、治療の実際


   
肩こりと漢方
肩こりの原因とメカニズム
肝に原因がある場合
脾胃に原因がある場合
   
1 脾胃に原因がある場合
 
①「気」が不足する
 「いつも胃腸の調子が悪い」という人の場合、肩をさわってもそれほど硬くなく、脹りも強くないのに、本人は肩こりを強く訴えることがよくあります。脾胃の機能が低下して気を肩までめぐらせることができないため、疲れやすい、だるいといった疲労の症状をともなうのが特徴です。

 この場合は「補中益気湯」で脾胃の機能を補います。また、症状があまりにもひどく、不眠やしびれなども現れた場合は、気と血の両方が不足していることも考えられるので、「十全大補湯」で補う必要があります。

②不要な水分がたまる
 脾胃の機能低下が長く続くと、めまい、吐き気、食欲不振などの症状が強くなる場合があります。これは、取り入れた水分が代謝されず、不要な水分(湿)として脾胃にたまった状態と考えられ生ます。
 この場合、「平胃散」で脾胃の不要な水分を取り除きます。

③たまった水を排泄できない
 肩やほかの部位がむくんだようになり、からだ全体が重だるい場合は、余分な水をうまく排泄することができなくなってしまった状態と考えられます。
 この場合は、尿の通り道の詰まりを取り除き、余分な水を排出する働きをもつ「防已黄耆湯」を使います。

④たまった水が「通路」をふさぐ
 体内にたまった余分な水は、やがて濁ったり粘ったりするようになります。この物質(「痰」)が血や気の通り道をふさいだために肩こりが起こっている場合には、めまい、吐き気、食欲不振などの症状がさらに強くなります。また、舌がベタッとして、まるでパンにバターを塗ったようになり、ときどきたんが出るようになります。
 こうなったときには「二陳湯」を基本に処方します。また、手のふるえがある場合には「半夏白朮天麻湯」を使うこともあります。

●気と血の役割
「血」には、からだに栄養と潤いを与える働きがある。また、「気」がからだの生理機能を活発にするのに対して、血はからだを静かな状態に保つ機能がある。血を蓄えたり、成分を調節したりする臓器は「肝」。
●気の滞り
痛みの特徴・・・脹っている。
部位・・・痛む部位があちこち移動する。
経過・・・こりが出たり消えたりする。比較的急性が多い。
●血の滞り
痛みの特徴・・・硬い。押すと痛む。
部位・・・同じ場所がチクチクと刺すように痛む。
経過・・・こりが続く。慢性。
その他・・・痛む部分の毛細血管が浮き出て、皮膚が暗紅色になる。肩以外の筋肉も痛む。舌の色が紫に近い暗い色。唇が黒ずむ。
●脾胃とは
胃腸・膵臓・肝臓・胆嚢・小腸など、消化器系の臓器の働きすべてをさす。「気の生産工場」ともいえる臓腑で、飲食物から吸収した栄養分を気に変えて、体中にめぐらせている。脾胃の機能が低下すると気を十分に生産できず、また余分な水が体内に停滞してしまう。
●肝とは
喜び、怒り、哀しみなど、精神情緒面をつかさどる臓器。血を蓄え、血液の循環の調節を行っている。また、筋肉の動きを管理する働きもある。そのほか、自律神経系、ホルモン系、内分泌系、栄養代謝系、胆汁の分泌、肝臓の機能の一部、女性の生理機能といった幅広い働きを含んでいる。
●脾胃と肝の関係
脾胃と肝は相互作用があるため、どちらかに機能低下があると他方にも影響を与えやすい。

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