病気解説

◎外陰萎縮症

外陰の皮膚が萎縮していう病気で、ほとんどの場合、外陰ロイコプラキーと合併しています。萎縮はまず小陰唇、陰核から始まって、次第に大陰唇、恥丘にまで及んでいきます。そうなってくると、小陰唇、陰核は消えてしまい、大陰唇は扁平になり、膣は、次第に狭くなってほとんどふさがってしまいます。症状は、かゆみと灼熱感です。特別に有効な治療法はありません。ホルモン剤や抗ヒスタミン剤の内服や塗布によって、少しは症状がよくなることもあります。

◎外陰炎

普通、外陰部の皮膚は感染に対する抵抗力が強いので、そう簡単に炎症を起こすことはありません。健康な皮膚にいきなり細菌が感染して、炎症を起こすということはまずあり得ないことで、それ以前に、何か誘因になる素地があるのです。 たとえば、特に夏など、汗もかきやすく、ふとった人の場合、またずれのために外陰部や太ももの内側に炎症を起こしてしまいます。そこに化膿菌がついて炎症を起こしてしまうのです。 また、荒々しい性行為のために傷がついたり、手淫がすぎて傷がついたり、こすりすぎや毛ジラミがわいたために、非常にかゆくてかきすぎて、かき傷をつくってしまい、そこから化膿菌が入ることもあります。トリコモナス膣炎、カンジダ膣炎のために、外陰にまでおりものが流れだして、そのために非常にかゆくて、やはりかき傷をつくってしまったときなども、そこからの感染によって外陰炎を起こすことになるのです。 月経のとき使用するパッドでかぶれたり、月経血の量が多く、月経の日数が長い場合など、外陰部がただれて、そこに細菌が感染した場合にも外陰炎となります。 石けんによるかぶれ、新しい下着によるかぶれも原因となるでしょう。 全身的には、糖尿病があるときやビタミン不足があるときには、全身の皮膚自体が感染を起こしやすくなります。特にやわらかい粘膜の多い外陰部は特に炎症を起こしやすいのです。 ふとりすぎやお産後膣のしまりが悪いときなどくしゃみによってさえ尿がもれるようになることもあります。このような場合にも、尿によって外陰部がただれ、炎症を起こす原因となるのです。 ひりひりした痛み、灼熱感、重くはれぼったいと感じ、といった自覚症状があります。特に歩くときなど外陰部がこすれ合うときに感じ、排尿時には、さらに強く痛みを感じます。 外陰部は赤くただれて、小陰唇や前庭部ははれ上がって、ねっとりした分泌物におおわれます。ときには、膿が出るほどひどくなることもあります。慢性の炎症になると、外陰の皮膚がぶ厚くなってしまったり、常に湿り気が強くて、いつまでもかゆみが止まらなくなってしまいます。 目でみれば特にすぐわかる病気ですから、原因になっている菌を調べれば治療は簡単です。皮膚が健康であるかぎりそう簡単にかかる病気ではありません。下着は、よく洗ったものを、まめにとりかえるようにして、常々、外陰部を清潔に保っておくことが一番大切な予防策でしょう。

◎外陰ガン

比較的高年齢の人に発生するもので、発生率はかなり高く、子宮ガン、卵巣ガンについで三番目に多いガンです。 外陰にいきなりガンが発生することもありますが、前ガン性の変化に続いて発生することが多いのです。つまり、ロイコプラキーや急性外陰潰瘍が、外陰の前ガン性の変化である場合が多いのです。 症状は、ほとんどありません。痛くもなければ、かゆくもないしこりができて、一部がくずれるようになっても、何をつけてもよくならないままに次第に大きくなっていきます。そして、だんだん進んでくると、そけい部のリンパ腺がはれてきて、もものつけ根のところにチクチクとさわるようになります。こうなってからではもう手遅れです。 とにかく、何とも感じないかたいしこりができて、何をつけてもなおらない場合は、なるべく早く、しこりがまだ小さいうちに婦人科へ行くことです。治療は早期発見、早期手術があるのみです。

◎外陰局所の充血、刺激によって起こるもの

自転車に乗ってこすれたり、また、ふとっている人の場合、またとまたがすれ合って充血を起こしたりして、そこが炎症を起こすためにかゆみを生じる場合があります。また、性的に興奮したときなど、外陰が充血を起こし、かゆみとして感ずることがあります。

◎外陰結核

これは、きわめてまれな病気です。大陰唇、小陰唇に、単発か、多発する潰瘍性の変化を起こすもので、そうひどい症状を起こすものではありません。 内性器の結核から移ってくるもので、組織の一部を切除して調べるとすぐわかります。化学療法か、その部分を切除することによってなおります。

◎外陰脂肪腫

大陰唇や恥丘などの皮下脂肪組織からできる腫瘤です。

◎エスチオメーヌス(外陰侵蝕潰瘍)

この病気は潰瘍性のもので、外陰部を深く深くおかしていきます。そのためにリンパ管が荒らされて、外陰に大小種々の腫瘤(こぶ)がつくられて、外陰の形が変形する病気です。 原因は、宮川小体(発見者の名をとった)といわれているウイルスによるものです。 症状は、初期には外陰部に多発する潰瘍がみられ、次第にリンパのうっ帯による腫瘤ができてきます。そのうち外陰部は、潰瘍と腫瘤のために非常にみにくい形に変わってきます。初期には、掻痒感(かゆみ)とか灼熱感があって、歩くときに不快な感じがある程度です。しかし、潰瘍が次第に深くなって、直腸や尿道にまで及ぶようになると、排便障害とか排尿障害が起こってきます。 治療は、抗生物質療法(サルファ剤)、手術療法があります。

◎外陰線維腫瘍

大陰唇とか、陰核などにできるかたいこぶです。

◎外陰象皮病

外陰部の皮膚が象の皮膚のようになる病気です。治療は、外科的に手術して切除することです。

◎外陰掻痒症

外陰部のかゆみだけを症状とする病気です。 外陰部は分泌腺が多い上に、膣からのおりものや尿、便にいつもさらされています。また、性的なことで興奮しやすいために、かなり神経的に敏感です。このため、単なる湿りや炎症、神経などによって、かゆみが起こりやすいのです。 また、外陰部の病気は、その症状の一つとして、ほとんどの場合、掻痒感(かゆみ)を伴います。その原因には、次のようなものがあります。

◎外陰軟性下疳

デュクレー菌によって発病する潰瘍で、性病の一種です。性交によって感染します。 症状は、円形や楕円形の潰瘍が多発します。痛みと、灼熱感があって、排尿のときにしみます。そけいリンパ節がはれて痛みがあり、化膿することもあります。 抗生物質で簡単になおります。

◎外陰肉腫

非常にまれなものですが、年齢に関係なくできます。その発育は非常に早く、血液とかリンパで全身に転移し、悪性の経過をとります。表面は出血しやすく、やわらかい腫瘤です。 治療は、早期発見が大切で、外陰切除や、抗ガン剤の使用、放射線療法を行います。

◎外陰部掻痒感

かゆいというものは、痛いのと同じくらい苦しいものです。特に外陰部のかゆみは、おおっぴらにひっかくわけにもいかず、ひどいときにはノイローゼになったりする場合もあります。 この外陰部のかゆみだけを症状とする病気を外陰掻痒症といいます。

◎外陰ロイコプラキー

特に大陰唇や小陰唇、会陰部の皮膚の一部が白い斑紋となる病気です。ほとんどが更年期以後に発生するものです。注意しなければならないことは、ガンの発生と非常に関係があることです。 原因は不明ですが、慢性の外陰炎とか外陰部への慢性の刺激が、原因になるのではないかと考えられています。症状は、かゆみとか灼熱感ですが、外陰萎縮症と合併することが多いのです。 治療は、特に有効なものは今のところありません。その部分の皮膚が厚くなったり、前ガン状態が疑われるような場合は、試験的に切除してみることがあります。その結果ガンが疑われるようなときには、外陰を切除してしまうこともあります。

◎潰瘍性大腸炎

大腸の粘膜にただれや潰瘍ができる病気。多くは肛門に近い直腸から始まり、しだいに上のほうに広がる。腹部全体や下腹部が痛み、排便回数が増える、便に血液・ウミ・粘液が混じる腹が鳴る、一日に5〜6回の下痢、発熱、食欲不振、全身衰弱、貧血などの症状が現れます。消化器専門医を受診します。合併症を起こすと、手術を必要とすることもあります。若い世代に多い原因不明の難病の一つ。

◎解離性大動脈瘤

冷や汗がでるほどの胸の激痛。発作が続く場合は急を要する。

◎心臓神経症/過呼吸症候群

徐々に強い不安、動悸、息切れ、手足のしびれ、けいれん、心臓の痛みなどの症状を訴えるが、心電図や血圧などの検査をしても心臓の異常が認められないときに使われる病名。ストレスや不安感を取り除くことが大切。ただし、症状だけで診断できず心臓系以外の病名のくわしい検査が必要。 何も無ければ東洋医学の得意な分野でもあります。

◎過少月経

月経量が非常に少ないものです。無月経の原因と同じような原因でなることが多いようです。過少月経の人の子宮は発育不全ですし、月経があっても無排卵性の場合が多く、妊娠は期待できない場合が多いのです。

◎ガス中毒

絶えず続く頭痛に、めまいをともなう。→救急車を呼び病院へ運ぶ。

◎過多月経

月経の出血量が非常に多量で、血液がかたまりになって出たりします。 思春期のまだ子宮が十分発育しきっていないときとか、更年期のホルモンバランスがくずれたようなときに、よくみられます。 過多月経は、子宮筋腫がある場合に最も多く、ほかにも子宮内膜症、子宮筋層炎などのように、子宮体そのものに器質的な変化がある場合にも過多月経となります。子宮筋腫でも、粘膜下にできている場合は、出血量が多いだけでなく、いつまでもだらだらと続くし、月経のとき以外でも出血することがあります。 また、卵巣機能に異常をきたしたときにも、過多月経となることがあります。 症状は、出血多量と同時に月経痛を伴うことが多いのです。二次的に貧血症となり、貧血症からくる全身症状、動悸がしたり、めまい、頭痛、むくみなどが出てきます。 原因をよくみきわめた上で、適切な治療を受けなければいけません。

◎過敏性大腸

胃腸神経症の一つの症状。下痢や便秘、腹痛などの症状が続くが、腸に病気はなく、大腸の働きや内分泌の異常(過敏になりすぎて)によって起こると見られている。ストレスの除去や心理療法が有効。

◎花粉症

カゼをひいているとき鼻がつまり、鼻水をともなう。はなづまり、鼻のかゆさ、目のかゆさなどをともなう。 東洋医学の得意な分野でもあります。

◎肝臓・胆道の病気(肝炎)

だるい、倦怠感、むくみ、食欲不振、吐き気、発熱、貧血、黄疸、激しい頭痛、めまい、腹痛などをともなう。症状が激しい。おう吐物に血が混じる。原因がわからない。特に腹痛や下痢をともなうことが多い。→内科を受診する。 東洋医学の得意な分野でもあります。

◎間欠性跛行

歩いてしばらくたつとふくらはぎが痛くなり、休むとまた歩けるようになります。脚のしびれ感、冷寒、痛みをともないます。末梢の動脈がつまったために起こるもので、青壮年の男性、とくに喫煙者に多く発症します。

◎肝臓・胆道の病気(肝硬変)

だるい、倦怠感、むくみ、発熱、貧血、黄疸などをともなう場合、肝炎・肝硬変などの肝臓病や、胆のう炎、胆石などの胆道の病気が疑われます。

◎カンジダ膣炎

カビの一種である真菌類に属する、カンジダ・アルビカンスの感染によって起こる膣炎です。カンジダは、膣内だけでなく、口、気管支、肺などにも寄生しているもので、いつでも病原性を持っているわけではありません。健康体にも寄生していることが多いのですが、いったん病原性を得ると発病して炎症を起こすのです。 発病の動機についてはまだ明らかにされていませんが、カンジダ膣炎は、妊婦に多いこと、分娩後は自然になおってしまうこと、糖尿病とかビタミンB2の欠乏した人、栄養不良の人に多い点から、全身の健康状態の変化が、発病の誘因になっていると考えられています。 また、抗生物質を強力に使ったときに、カンジダがあらわれる傾向がみられることから、抗生物質によって細菌が殺されるが、かわりにカンジダがあらわれるので、菌交代現象が起こるのだと考えられているのです。 症状は、外陰部の激しいかゆみで、程度の差はあっても、気が狂いそうなほどのかゆみを訴えてくる場合が多いようです。外陰部は赤くただれて、ひどくなると皮膚が乾燥してカサカサした感じになってくることもあります。おりものは、カッテージチーズのような白くてぼろぼろした感じで、ときには、膣の中にいっぱい詰まっているほどで、膣口や、小陰唇、大陰唇にまでついていることもあります。特別な悪臭はありません。 治療は、1%のゲンチアナ・バイオレット(紫チンキ)を患部に塗ると早くきれいに 治ります。トリコマイシンの膣錠とか軟膏が使われます。トリコモナス膣炎と同じように、非常にしつこく再発しやすい病気ですから、おりものの培養によって菌が出なくなるまで治療するほうがよいのです。 しかし、局所治療だけでなく、カンジダを発病にみちびく全身の病気や状態をなおすことが大切で、いつでも健康な体の状態を保つことが、この病気の予防でもあり治療でもあるのです。

◎眼精疲労

目が疲れる状態。目が痛い、かすむ、まぶしい、充血する、涙が出るなどの他に頭痛、肩こりの症状を伴うこともある。原因は、@目に原因がある場合(近視、遠視、乱視、老視や目の病気など)と、A全身状態が悪い場合(全身倦怠や疲労感が生ずる病気など)、B体には異常はなく、仕事などで目を酷使するために起こる場合がある。

◎肝臓病

背中が重い感じをともなう。

◎冠動脈疾患

脈の乱れが突然に、激しく起こる。他の症状、とくに息切れや呼吸困難、胸の痛みをともなう場合。動悸や脈の乱れの、原因がわからない。一日のうちに頻繁に脈の乱れが起こる。→内科を受診し、原因をしっかり調べてもらいましょう。

◎気管支ぜんそく

急に症状が現れる ゼイゼイ言う 。(多くは夜。発熱をともなうことがある。)

◎奇形腫

かたく充実している腫瘍で、内容は主に脂肪ですが、毛髪は骨、歯が含まれています。二〇歳代から三〇歳代に最も多く発生するものです。

◎偽ムチン嚢腫

卵巣腫瘍のうち三分の一を占めるくらい多いもので、三〇歳前後に発生する率が高いものです。大きさは、親指頭大から大人の頭ぐらいまであり、そのまま放置しておくと、十数キロに及ぶ巨大腫瘍になることもあります。袋の中は多房性といっていくつもの部屋に分かれていて、その中身は、粘っこい液体で満たされています。

◎急性胃炎

激しい頭痛、めまい、発熱、腹痛などをともなう。症状が激しい。おう吐物に血が混じる。原因がわからない。特に腹痛や下痢をともなうことが多い。→内科を受診する。

◎急性外陰潰瘍

この病気は、特に処女とか、若い既婚の女性に好んで発病するものです。そのうちでも、発育不全的な、無力性体質の人に多くみ受けられます。 デーデルライン膣桿菌に似た菌によるものとされています。大陰唇、小陰唇の内側に急に発生する炎症性の潰瘍で、栗粒大から大豆大以上の大きさで、境界のはっきりした不正円形の潰瘍です。 この種の潰瘍は、同時に、口内炎や目の角膜炎を併発することもあります。 かなり激しい痛みがあって、一時的に高熱をだす場合もありますが、局所の軽い不快感だけを感じる場合もあります。 良性で、かなり早くなおる場合もありますが、ときには再発しやすく、かなり長い経過をへてなおる場合もあります。しかし、診断がつけば、局所の治療で十分なおります。また、局所を清潔にするだけで自然になおる場合もあります。

◎急性肝炎

強いだるさが急に発症し、食欲不振、吐き気、悪寒、発熱が続くなどの症状に黄疸がともなうと急性肝炎が疑われます。

◎急性気管支炎

胸痛、せき、タン、熱をともなう。

◎急性慢性湿疹による外陰掻痒症

新しい下着にかぶれたり、体に合わない温泉に入ったりしたときに起こります。

◎急性腎炎

扁桃炎、咽頭炎、鼻炎、猩紅熱、などの7〜14日後、だるさのほかに、起床時などに顔、とくにまぶたがむくむ、タンパク尿・血尿などが出る・尿量の減少などの症状は、腎炎の疑いが濃厚です。子供や若い人に多い。

◎急性腸炎

腹部全体の痛みに、発熱(37〜38度)、吐き気・おう吐、下痢が主な症状です。腹痛は差し込むような痛みが多いが、ときに鈍い痛みの間にけいれんのような激しい 痛みが起こることもあります。医師の診断を受け、安静を保てば、一週間ほどで軽快します。このような症状が同時に二人以上に現れたときには食中毒が疑われます。

◎急性肺性心

冷や汗がでるほどの胸の激痛。発作が続く場合は急を要する。

◎胸郭出口症候群

こりは両肩に現れ、首筋や肩の激しい痛みがあり、腕の脱力感、首や腕、指のしびれ、冷感などをともないます。長時間、機械的な動作をする職業の人や、むりな姿勢を続けた場合に起こりがちです。→整形外科を受診します。

◎狭心症

胸の中央の胸骨の下あたりが痛み、冷や汗がでるほどの激痛。左の肩腕に痛みがひびく。発作が続く場合は急を要する。

◎毛ジラミ、蟯虫による外陰掻痒症

毛ジラミは、毛ジラミを持った人との接触によって移ります。陰毛の根もとにぴったりとくっついて寄生します。非常にかゆいので、かくことによって、毛ジラミが下着に落ちて気がついたりすることもあります。肉眼で確かめることもできます。 一時、ほとんどみられなくなったのですが、最近、かゆみを訴えてくる人に、かなりの頻度で、毛ジラミを持った人がふえてきているようです。蟯虫は少女に多く寄生します。夜間、床に入って温まってくると、肛門のまわりにはいだしてきて、肛門のまわりから外陰にかけて、かゆみを引き起こすのです。夜とか、朝起きてすぐ肛門のまわりを調べれば、蟯虫を発見することができます。

◎胸膜炎

胸痛、せき、タン、熱をともなう。

◎胸部の外傷

冷や汗がでるほどの激痛。強い息切れ、呼吸困難をともなう。発作が続く場合は急を要する。

◎虚血性心臓発作

虚血性心臓発作は、本格的な発作が起こる前に多くは前ぶれがあります。これを敏感にとらえて医師の診断を受け、大事に至らないようにしましょう。 @坂道や階段をのぼる、ふとんの上げ下げをする、重いものを持つ、ちょっとした運動をするなどのときに、息切れ、動悸、胸の中央部の圧迫感などを覚えるが、休むと治まる。 Aおなかいっぱい食べた後や寒い戸外に出ると、@と同様の自覚症状がある。 B脈が乱れることがあり、同時にめまいが起こる。 C夜中に胸が苦しくなって目が覚める。

◎巨赤芽球性貧血

赤血球の生産に必要なビタミンB12や葉酸の欠乏で起こる貧血。原因が分からなかった昔は、治療法も無く病気がどんどん進行したため、悪性貧血という病名がつけられた。現在では、治療で完全に治る貧血の一つ。日本人ではまれな貧血だが、老人や胃を切除した人にときに見られる

◎筋萎縮性側策硬化症

腕の力が弱る、指の運動が不自由になる、手が疲れやすい、手のひらの筋肉が落ち平らになるなどの主症状です。はじめは片側に起きるが、そのうち両側とも冒されます。脚から起こるものもあります。中年以降に多く、男性に多発します。この病気が疑われたら、できるだけ早く神経内科を受診してください。

◎唇のただれ

体調が良くないときなどに、唇の両端がただれることがあります。じゅくじゅくした液がにじみ出てただれ、裂け目ができたりして痛みますが、やがて、かさぶたとなって治ります。口角炎といって、細菌やウイルスによる炎症とされていますが、子どもではカゼや発熱のとき、成人では糖尿病、ビタミンB2の不足、貧血などがあると起こりやすくなります。1〜2週間で治ることが多いのですが、かなりガンコに続くこともあります。

クモ膜下出血

激しい頭痛、めまい、発熱、腹痛などをともなう。症状が激しい。おう吐物に血が混じる。原因がわからない。特にひどい頭痛、意識障害、手足のマヒなどをともなうことが多い。→専門的な検査のできる脳神経外科に運ぶ。ほとんど心配いらない偏頭痛、緊張性頭痛の場合もあります。

◎クローン病(限局性回腸炎)

消化管の粘膜に起こる慢性の炎症性疾患。以前は小腸だけの病気とされていたのが、同じ病変が消化管のどこにでも起こることが分かって、今ではクローン病と呼ばれている。小腸の回腸部に起こることが多く、慢性の腹痛と下痢が主症状で、進行すると発熱、体重減少、貧血なども見られる。原因は不明で、治療は対症療法と食事療法が中心。厚生省の特定疾患(難病)に指定されている。

◎頸肩腕症候群

首、肩にかけての激しい痛み、しびれ、だるさ。腕や指など、他の部分にも痛み、しびれ冷感などがある。整形外科を受診します。原因は頸椎の変形といわれますが、筋肉の過労も原因の一つと考えられ、長時間、機械的な動作をする職業の人や、むりな姿勢を続けた場合に起こりがちです。疲労した筋肉を休めるとともに、作業の姿勢に改善の余地がないか検討します。

◎頸部変形性脊椎症

激しい痛みがあり、腕や指など、他の部分にも痛み、しびれがある。

◎毛ジラミ、蟯虫による外陰掻痒症

毛ジラミは、毛ジラミを持った人との接触によって移ります。陰毛の根もとにぴったりとくっついて寄生します。非常にかゆいので、かくことによって、毛ジラミが下着に落ちて気がついたりすることもあります。肉眼で確かめることもできます。 一時、ほとんどみられなくなったのですが、最近、かゆみを訴えてくる人に、かなりの頻度で、毛ジラミを持った人がふえてきているようです。 蟯虫は少女に多く寄生します。夜間、床に入って温まってくると、肛門のまわりにはいだしてきて、肛門のまわりから外陰にかけて、かゆみを引き起こすのです。夜とか、朝起きてすぐ肛門のまわりを調べれば、蟯虫を発見することができます。

◎結核

脈の乱れが突然に、激しく起こる。他の症状、とくに息切れや呼吸困難、胸の痛みをともなう場合。動悸や脈の乱れの、原因がわからない。一日のうちに頻繁に脈の乱れが起こる。→内科を受診し、原因をしっかり調べてもらいましょう。

◎月経前緊張症

月経は正常は生理現象ではありますが、月経前後のホルモン分泌の変化によって、ある程度全身的な生理現象、たとえば、血液の状態とか水分の状態にも変化が起こるのです。したがって、月経時には、ほとんどの女性が、何らかのかたちで体調の変化を感じとるのが普通なのです。 ・下腹部や腰のあたりがはる ・全身がむくんで、体重がやや増加する ・乳房がはってきて、乳頭部が敏感になる ・眠気が強くなる ・のぼせたり、逆に手足が冷えてくる ・精神的に落ち着かず、いらいらしたりおこりっぽくなったり、不安感が出ることがある ・便秘になる人や下痢になる人がいる ・極端な場合、一時的に精神状態がおかしくなったりする 個人差はありますが、これらの症状は、月経の一週間か数日前より出始めて、月経が始まると、すっと消えてしまうのです。 黄体ホルモンの分泌が盛んになってくるころからあらわれ始めるので、黄体ホルモンが、その因子を持っていると考えられるのですが、その原因はまだはっきりしていないために、根本的な治療の方針は立っておりません。しかし、精神的、神経的な症状が強い場合が多いので、精神安定剤などがかなり有効です。

◎月経の異常

月経は、生理的条件、身体的条件、精神的条件によって、かなり左右されます。したがって、これらの条件によって一時的に異常をみることはしばしばあることですが、絶対的に病的な異常であると判断される場合を、月経異常として治療の対象とします。

◎結膜下出血

眼球結膜下の小血管が破れて結膜下に出血が広がった状態をいう。白目にあざやかな赤い出血斑が見られるので、痛みはなくても驚く人が多いが、ふつう1〜2週間で自然に吸収され障害を残すこともないので、治療の必要もない。

◎血友病

鼻血が出ると止まりにくいため注意。主治医へ連絡する。

◎減酸症・無酸症

胃酸にふくまれる塩酸が少なすぎたり、なかったりするもの。消化不良で胸やけが起こり、下痢、腹部膨満感なども生じます。胃ガン、慢性胃炎など胃の病気の一症状であることが多いので、検査が必要です。

◎原発性無月経

思春期になっても全く月経が始まらない(初潮がおとずれない)場合をいいます。原発性無月経の約八五%は、一生月経をみることがなく、妊娠を期待することはできません。 先天的な原因としては、子宮、卵巣などの発育異常と機能不全があるものや、中枢性には視床下部や下垂体前葉系統に異常がある場合です。 月経が発来するのは、視床下部→下垂体前葉→卵巣→子宮と、この一連の命令系統による生理機能によるものですから、このうちのどこかに欠陥があれば、月経は起こらないのです。 しかし、子宮や卵巣の機能が正常で、思春期になって子宮からの出血はあるのですが、性器の先天異常、たとえば処女膜の閉鎖や膣閉鎖、膣欠損があって、出口がふさがれているために、月経として出血が認められないことがあります。この出血がちつ血腫、子宮溜血腫となってたまるのです。 後天性の原因としては、思春期以前に、全身の重症な病気にかかって、そのために子宮や卵巣の発育が阻害されてしまったために、一生月経をみることがなくなった場合です。

◎原発性卵巣ガン

非常にまれではありますが、予後は不良です。

◎高血圧

絶えず続く頭痛に、めまい(グルグル、フラフラ)をともなう。→救急車を呼び病院へ運ぶ。血管がもろくなっているため、鼻血が出やすい。口の中や歯ぐきに異常がないのに、出血が起こるときは、内科医を受診しましょう。

◎高血圧性心疾患

徐々に動悸、むくみなどの症状が出る。

◎高血圧性脳症

急で強く、鈍い痛み。めまい、吐き気・おう吐、視力異常、精神の異常、しびれ、マヒをともなうもの。→設備のある専門病院へ

◎高脂血症

血液中のコレステロールや中性脂肪などの脂質が異常に多くなった状態を高脂血症、また高脂質血症という。この状態が続くと動脈硬化を促進させ、やがては、脳梗塞や心筋梗塞などが起こりやすくなる。ふつう自覚症状はないが、重くなるとまぶたや手の甲などにしこり状の隆起(黄色腫)が現れたりする。

◎甲状腺機能亢進症

甲状腺の働きが活発になりすぎて、体内の物質代謝を促進させる甲状腺ホルモンを過剰に分泌するために起こる病気。そのため、脈拍が速くなって動悸がしたり、食欲は旺盛で多く食べるが、やせてくるといった症状がでてくる。よ@のどの甲状腺が腫れるため首が太くなったうに見える、眼球の前方突出など3つが特徴的症状。その他、多汗、微A脈拍の増加、B熱、手が細かくふるえる、落ち着きが無くなるなどが伴う。パセドウ病、ブランマー病などがある。→内科を受診し、原因をしっかり調べてもらいましょう。

◎甲状腺機能低下症

甲状腺の働きが低下し甲状腺ホルモンの産生、分泌が不足するため、全身の代謝機能が弱まり、固いむくみ、だるい、気力がわかない、動作が緩慢になるなど活動性が低下する病気。慢性甲状腺炎(橋本病)、粘液水腫、クレチン症などがあり、症状は甲状腺の腫れ、全身倦怠などさまざま。

◎口内炎(アフタ性):口の中の丸い潰瘍

口の中の粘膜や唇の内側に、表面が灰白色で輪郭がはっきりした丸い小さな潰瘍ができることがあります。アフタ性口内炎といわれるもので、ものが触れると強く痛みます。 歯による刺激、過労やストレス胃腸障害などが誘因となるようですが、まだアフタそのものの原因は、はっきりしていません。大部分は心配する必要のないもので、一週間から10日で自然に治ります。人によっては、治ってもまた再発をくり返すことがあり、こんな場合は再発性アフタと呼ばれます。 口の中を清潔にしておくこと、虫歯はきちんと治療することなどが予防となります。慢性化する場合は、漢方薬を試すのも良いと思います。

◎帯下(こしけ)

帯下とは女性性器から出る病的な分泌物(おりもの)のことをいいます。こしけともいっています。 普通、正常な性器の分泌物は、下着に少しつくことはありますが、そう多量に膣の外に流れ出るものではありません。下着が汚れて気持ちが悪いというほどの分泌物は、何かの原因によって、性器分泌物が異常にふえた結果なのです。 「おりものが多い・・・」というのは、婦人科の訴えのなかで最も多いものです。しかし、帯下感というのは、各個人の感受性によってかなり違ってくるもので、「おりものが多くて気持ち悪い」と訴えてきても、診察してみると、全く正常な状態であったり、別の訴えできた患者を診察してみて、異常な帯下に気づき、たずねてみても本人は何ら苦にしていない場合もあったりします。

◎帯下(おりもの)の増加する病気

細菌性の膣炎とか、子宮頸管炎のある場合には、おりものがふえるために、外陰部が常に湿った状態になります。 また、妊娠した場合は、分泌物が非常に多くなるために、いつでも外陰部が湿った状態にあります。特に夏などは、汗といっしょになってむれると、いっそうかゆみがひどくなってしまうのです。 東洋医学の得意な分野でもあります。

◎五十肩

腕が上がらないほど痛む。肩を動かすと痛く、一定以上腕が上がらなくなります。とくに起こりはじめが症状が強く、夜も眠れないほどです。肩の周囲組織が炎症を起こすもの。老化が原因ですがあきらめず、きちんと診断を受けて治療すること。 東洋医学の得意な分野でもあります。

◎鼓腸(こちょう)

お腹をたたくとポンポンと音がする、おならがよく出るなどの症状をともなう場合、鼓腸の疑いがあります。これは、消化管内に異常にガスたまって起こるもので、原因として、慢性の胃炎・腸炎・肝炎すい炎・胆石症、肝硬変、胃・十二指腸潰瘍の穿孔などが考えられます。内科の医師に診てもらってください。

◎骨粗しょう症

背中の痛みに、背部が重苦しい、脚のしびれ・痛みに腰痛、脊椎が曲がっているなどの症状がともないます。閉経後の女性に圧倒的に多く、骨からカルシウムが失われることによって起こります。歩行障害をともなう場合には、脊椎の圧迫骨折も考えられる。齢だからとあきらめず、婦人科医または整形外科医を受診しましょう。

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