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  症状と体質で処方が大きく違う

漢方薬は体の自然治癒力を高め、体質を根本から変えていきます

中医学
体の調和を回復する漢方薬
体質や抵抗力も判断材料
不足と停滞が病気の原因
症状と体質で処方が大きく違う
人により異なる病因を見分ける
五行説
五臓のはたらき
五臓の元気がなくなると
   
1 漢方薬は体の自然治癒力を高め、体質を根本から変えていきます
  漢方医学では基礎物質が不足したり停滞して、体のバランスが崩れている状態を「病気」と捉えています。漢方医学では、バランスの崩れを整えることで治療します。その治方の-つが漢方薬です。多くの生薬を組み合わせた漢方薬は、自然治癒能力を高め、体質を根本から変えます。
2 自然界の生薬を複数組み合わせた薬
  漢方薬は、自然界の植物はもちろん、動物、鉱物を原料にした「生薬」を複数以上組み合わせて(調合)作ったものです。有名な「葛根湯」は風邪薬として大勢の人に利用されていますが、これも名前にあるようにクズの根「葛根」のほか、6種類の生薬を調合しています。ウコンやドクダミなどを漢方薬と思っている人もいらっしゃるようですが、これらは民間薬で、漢方薬ではありません。

正気」を保ち「邪気」を遠ざける
 漢方薬は、病気の原因だけでなく、患者さんの体質や体の状態などを見きわめて診断し、その結果に基づいて1人ひとりに合ったものが処方されます。漢方の基本的な考え方は、人間が持っている病気と闘う力(自然治癒力)を高めることにあります。病気の原因となっている不必要なものを取り除き、不足している必要なものを補って病気と闘う力をつけ、体のバランスを正常な状態に戻していきます。

正気・邪気 正気は、病気の原因となる邪気と対抗する人体の抵
抗力生命力を示す概念。

病気は、正気が不足して起る場合と、邪気が侵入することによって起こる場合がある。

どちらが主な原因かによって処方する漢方薬が変わる。
3 漢方薬では「風邪」といっても症状により処方は違う
 
 風邪を引いた時、「頭が痛い」・「熱が出る」・「寒気がする」などの症状が出る場合と「高熱が出る」「熱感がある」・「のどが腫れて痛い」などの症状が出る場合があります。西洋医学ではあまり重要視されませんが、風邪のときに見られる「寒熱」の症状は、痛気の診断と漢方薬の選定に欠かせない大事な要素です。漢方の場合、風邪という病気でも、寒熱の違いによって、全く作用の異なった漢方薬が使われるからです。寒熱の診断は、熱が出ても、漢方では体温計で測った熱ではなく、患者さんの訴えを重視します。たとえば40度近い熱があっても、患者さんが悪寒を訴えている場合は、「寒性の風邪」としてとらえます。
 つまり、「寒熱」は、病気の性質を示す概念で、寒性の病気か、熱性の病気かを見極め、寒・熱に偏った状態を正常に引き戻すための診断基準です。寒であれば温性の薬物を、熱であれば寒性の薬物使って治療します。
  「寒」「熟」と風邪の漢方処方
 寒邪が侵入した風邪は、冷え・悪寒・温熱を好む・水様の鼻水などの症状があります。このような風邪の場合は、冷えを除き、体を温め抵抗力を高めて風邪を治す働きのある「葛根湯」が使われます。
 熱邪が侵入した風邪は、熱感・のどの腫れ・のどの痛み・冷飲を好むなどの症状があります。こ
のような風邪の場合は、熱を除き、炎症を抑え抵抗力を高めて風邪を治す働きのある「銀翹散(ギンギョウサン)」が使われます。
 西洋医学の場合、風邪という病名が付けば、大体同じ作用のある薬が使われます。ところが、漢
方の場合は、風邪という病気でも、同じ薬が使われるとは限りません。風邪という病気でも、寒熱が違えば、作用が全く異なる漢方薬が使われるということです。

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