|
ホルモンバランスの崩れ
卵巣機能の低下に伴って起きる女性ホルモンの急激な減少は、なぜ心身にいろいろな症状を起こすのでしょうか。
ホルモンは、体の働きを常に安定させるように、臓器や組織の機能を調節する微量な物質です。内分泌腺といわれる特定のホルモンを産生する臓器から、体の内外の変化に対応するのに必要な量が分泌されます。脳の視床下部や下垂体にある中枢が血液中のホルモン濃度をチェックし、ホルモンの分泌量を抑制したり、促進したりしています。
さて、卵巣機能の低下で、女性ホルモンの分泌量が減少してくる私たちの卵巣に向けて、脳や下垂体はそれ以前にも増してアクティブに活動を開始します。不足してきた卵巣での女性ホルモンの分泌を促すためです。
しかし、今まで中枢の司令にこたえてバランスを回復できた私たちの卵巣は、加齢による機能低下によって、それに答えることができなくなっています。それでも下垂体は性腺刺激ホルモンというホルモンを分泌し続けて、卵巣に働きかけていくのです。
中枢と卵巣の間でホルモン分泌をめぐるかけ引きが繰り返され、その中枢の必死の努力は限界を超えると破綻をきたしてきます。
つまり、中枢のオーバーワークが更年期特有の症状を導き出しているといえるのです。
しかし、これは異常なことが起こったというわけでは決してなく、程度の差こそあれ、女性であれば誰でも迎える加齢による体の変化なのです。
・「ホルモン補充療法」について
女性ホルモンの低下に伴って起きてくるいろいろな症状や疾患を予防・治療しようという目的で、「ホルモン補充療法」が中高年女性の医療や更年期医療に取り入れられています。また、日常生活に差し支えるような更年期障害に対する治療の一つでもあります。「ホルモン補充療法」には、医師の判断と慎重な管理が必要です。
|