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  慢性の胸の痛み

くり返し起こる胸の痛み


   
中医学による胸の痛みのメカニズム
急性の胸の痛み  
慢性の胸の痛み  
危険な痛み  
   
1 疲れや衰弱によって胸の痛みがくり返し起こる
   特にはっきりとした誘因がなく、痛みもそれほど激しくないかわりに、体力を消耗するたびに、胸がシクシク痛むことがあります。これは、心の活動に必要な気や血が慢性的に不足しているからです。
 もともと虚弱体質であったり、過労や慢性病などが原因で脾胃の働きがおとろえると、滋養が不足するため、心の機能が慢性的に低下します(「心気虚」)。胸の痛みのほか、胸苦しい・息切れ・どうき・疲労倦怠感・全身に力が入らない・話すのがおっくう・顔面蒼白・汗をよくかくといった症状がくり返し現れるようになります。舌の色は淡い白ではれぼったく、歯痕がつき、薄い舌苔が現れます。脈は細くゆるやかでわずかにふれるか、あるいはリズムが乱れたり不規則になります。
 このような場合には、脾胃の機能を高めて全身の元気を回復する「保元湯」に、心の機能を高める「甘麦大棗湯」を合わせたものや、「炙甘草湯」「養心湯(人参・黄耆・当帰・茯神・茯苓・柏子仁・遠志・半夏・桂皮、炙甘草・川芎、酸棗仁、五味子、生姜)」を選ぶといいでしょう。
2 疲労や衰弱に冷えが加わって胸の痛みがくり返し起こる
  心の働きの衰えが続くと、血行が悪くなるとともに、全身を温める力が低下してきます(「心陽虚」)。
 この状態になると、胸苦しさとどうきをともなった胸の痛みがくり返し起こるようになります。さらに、元気がない・寒がる・息切れ・汗をかきやすい・手足の冷えなどの症状をともないます。舌が淡白になってはれぼったくなり、白くべっとりとした舌苔がつき、脈は細く弱くて遅く、しかも脈のリズムが乱れたり不規則になります。
 このような場合は、脾胃を温め冷えを除いてその機能を回復し、全身の血行を潤滑にする「人参湯」と「鹿茸大補湯」の併用をします。
 なお、女性のなかには、「血虚殺痛」といって、月経が始まると決まって胸が重苦しく痛む人がいます。これは、月経によって血が失われるために、心が栄養不足の状態(「心血虚」)となるからです。月経が終わると自然におさまるのが特徴ですが、このときは「十全大補湯」や「人参養栄湯」などで気と血を補うといいでしょう。
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