ＰＭＳ（生理前症候群）と漢方
めまい（経行眩暈）
生理時にめまいがひどくなる人を経行眩暈と呼びます。普段から軽いめまいなどを持つ女性は多く生理時に特にめまいがひどくなる場合は、気血両虚タイプのめまい、陰虚から生じる肝陽上亢が原因のめまい、脾虚が原因の痰濁めまいなどがあります。経行眩暈は、「気血両虚」「陰虚陽亢」「脾虚挟痰」と弁証されます。血虚
大病で出血したり、普段から血虚であったり脾気虚であったりしますと血の生成が悪くなりますので生理期にさらに血が虚して頭や目を栄養することができなくなるために目がくらんだりめまいが生じます。全身症状としては、倦怠感があって、体に力が入らず顔色が黄色から無華になります。動悸があって寝れなくなります。また、生理時や生理直後にふらつきがひどく目がくらむようにようになり、月経過少となります。のぼせの症状を持つ人もいます。治則：補益心脾・益気生血
方剤：帰脾湯
：加味帰脾湯（のぼせ）
陰虚陽亢
昔から腎陰不足であったり、多産やセックス過多のために陰を消耗損傷していると陰虚陽亢を起こしやすくなります。陰血不足のために肝気が旺盛になる生理期に肝気旺盛の状況が過剰となるために、虚火を形成しその虚熱が頭に影響しめまいがおきます。めまいの他に、耳鳴りや月経過少などの症状を伴う人もいます。治則：滋陰潜陽
方剤：六味丸合竜胆瀉肝湯
脾虚挟痰
肥満で痰を多く抱え込んだり、脾虚のために水湿の運化が悪くなり痰湿を生じるようになると、痰のために気血の流れが悪くなります。また、脾虚であるために気血の生成がわるくなり頭や目・耳などに栄養が行き渡らなくなりますので肝気が盛んな生理時期に、肝気によって肥気をさらに悪くし水湿の運化作用がさらに悪くなり痰濁の症状がさらに悪化し、めまいが起きるようになります。治則：健脾除湿化痰
方剤：半夏白朮天麻湯