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漢方でむくみ対策

心臓病によるむくみ

心臓病ではうっ血性心不全という状態になることがあり、むくみをおこします。心臓病の種類としては、先天性心疾患、リウマチ性心炎、高血圧性心疾患、虚血性心疾患、弁膜症などがあります。うっ血性心不全は、そのどれからでもおこります。
 心臓は、心筋と呼ばれる厚い筋肉をポンプのように縮ませたり膨らませたりしながら、1分間に5~6㍑の血液を全身に送り出しています(心拍出量)。心臓病の種類や病状によって、あるいは心臓の収縮力が弱くなり、あるいはポンプ作用が非能率的になり、結局は心拍出量が減少します。その状態がうっ血性心不全です。

うっ血性心不全のむくみ

どの種類の心臓病からおこったうっ血性心不全でも、結果は同一方向の現象で、心臓が動脈に向かって打ち出す血液量が減りますから、その分だけ血液は静脈の側に停滞することになります(うっ血)。その停滞はだんだんさかのぼって毛細血管のところまで波及します。それで心臓に近い静脈(太い静脈)も、心臓からかなり遠い静脈(細い静脈)も、毛細血管とのさかいめ(細静脈・・・静脈側の毛細血管)も、正常な状態よりも内圧(静脈側の血圧)が高くなります。
 毛細血管では、その壁を通して血液と血管周囲の組織のすき間との間に物質の出入りがありますが、毛細血管の内圧が高くなると、毛細血管内部の血液から水分がまわりの組織のすき間に出ていきます。これがむくみの発生です。この際、水といっしょにナトリウムも血液から組織のすき間に出ます。このような現象は、いわば、流れがよどんだために、上流の方で水が両岸にあふれたような出来事です。
 ところで、うっ血性心不全でむくむのは、そのような物理的な関係だけからではありません。
 うっ血性心不全では心拍出量が減りますので、当然、腎臓への血液の供給も減ります。そのために、腎臓で尿をつくる働きが悪くなり、その結果、水とナトリウムが十分に排泄されないで体内に残ります。
 これにはまた、副腎皮質(腎臓の上方にある小さな内分泌腺である副腎の外側の部分)から出るアルドステロンというホルモンも一役を買っています。このホルモンはナトリウムを体内にとどめておく働きをするからです。このようにして、むくみの原材料である水とナトリウムとは腎臓で用意されることになります。

心臓から打ち出す血液量が減るためにおこる

うっ血性心不全では心拍出量が減りますので、当然、腎臓への血液の供給も減ります。そのために、腎臓で尿をつくる働きが悪くなり、その結果、水とナトリウムが十分に排泄されないで体内に残ります。
 これにはまた、副腎皮質(腎臓の上方にある小さな内分泌腺である副腎の外側の部分)から出るアルドステロンというホルモンも一役を買っています。このホルモンはナトリウムを体内にとどめておく働きをするからです。このようにして、むくみの原材料である水とナトリウムとは腎臓で用意されることになります。

足に現れる心臓性のむくみ

心臓の機能が低下すると、むくみは足から始まる傾向が強くなります。足首がむくみ、すねが丸くなります。心臓病や、心臓の働きが悪くなると血液を押し出すポンプ力が低下します。そうしますと、心臓が全身に送りきれない血液内の水分が行き場がなくなり、血液壁から外にしみ出してしまいます。
 同時に、腎臓に送られる血液量が不足し、十分な尿がつくられなかったり、うっ血するためむくんできます。
むくみに加え、動悸や息切れ、呼吸困難を伴うことが多くなります。病名としては心臓性浮腫が考えられます。

心臓性浮腫

心臓性浮腫はからだの下の部分に現れる傾向があります。軽いときは、朝、起きたばかりのときはあまりはっきりしませんが、午後から夕方にかけてしだいに足に現れます。
 また、それは静脈のうっ血を起点とする出来事ですので、静脈が太く浮き出てみえます。手の甲の静脈などは人によってずいぶん浮き出ている人もありますが、健康な人では、手を少しずつ上にあげて心臓の高さより少し高い位置にしますと、浮き出ているのがひいて、あまり目立たなくなります。
 ところが、うっ血性心不全では、よほど手を高いところまで上げないと、静脈の浮き出ているのがひかないのです。また寝た位置では首の静脈が太く浮き出ます。
 全身のうっ血の、もう一つの特徴的な現れ方は、肝臓がはれることです。肝臓の位置に相当して、右の上腹部に重く押される感じや、にぶい痛みをおぼえます。腹壁の上から大きくなった肝臓を触れることができますが、これは医者でないとわかりません。
 それよりもごく初期の浮腫、あるいは浮腫以外の状態(潜在性の水腫)をもっと簡単に知る方法があります。それは体重が増えることです。それとともに尿の量が減ります。もちろん体重や尿量は、飲食との関係や、発汗の状態などでいろいろに変動しますが、心臓病の人で、他の条件があまり変わらないのに体重がはっきり増えてきたら、むくみがおこりかけているのではないかと考える必要があります。
 うっ血性心不全の治療は、医師によってなされなければならないにしても、すぐに自分でできることとしては、ナトリウムを減らすことです。食事などでナトリウムをとりすぎていないか(塩辛いものの食べ過ぎはないか)を自問してみることが必要です。

先天性心疾患

新生児の約3~4%に主要な出生時奇形(出生時欠損)があります。小児が成長するまで出生時奇形が発見されないこともあります。 5歳になるまでには小児全体のおよそ7.5%が出生時奇形と診断されますが、多くは重篤なものではありません。出生時奇形がかなり普通に見られることは、たった一つの受精卵が人間を形成する何百万もの特殊化された細胞になることの複雑さを考えたら、驚くには値しません。
 主要な異常の多くは出生前に診断できます。出生時奇形は軽いものから重篤なものにまで及びますが、多くは治療あるいは回復可能です。胎児が子宮にいる間に治療できるものもありますが、大部分は出生後に治療されます。中にはまったく治療の必要がないものもありますし中には、治療ができず小児を永久的に重篤な状態にさせてしまうものもあります。

リウマチ性心臓疾患

リウマチ性心臓疾患は一つ以上の心臓弁、特に、僧帽弁が狭くなる(僧帽弁狭窄)、リウマチ熱の普通の合併症です。
 心臓弁狭窄によって引き起こされる問題は妊娠中悪化します。弁狭窄は、より速い心拍数のストレス、血液量の増加、及び妊娠中に生じる心臓への作業負担の増大をいっそうひどくします。結果として、体液が、肺の中に逆流して、肺水腫──僧帽弁狭窄の最も危険な合併症──を引き起こすことがあります。
 重いリウマチ性心臓疾患を持っている女性は、妊娠する前に僧帽弁を修復するために手術すべきです。もし必要なら、この外科手術は妊娠中に行うことができます、しかし開心術は胎児を失うかまたは未熟児で分娩するリスクを高めす。
 妊娠中、女性は身体的活動を制限して、そして疲れたり不安になったりするのを避けるべきです。分娩と出産の最も良い時期は出産予定日あるいはそれよりも数日前です。リウマチ性心臓疾患によって損傷される弁はより感染しやすいので、分娩の間、出産の8時間後、そして歯の治療後、あるいは胎児を取り巻いている羊膜の早期破裂のような、感染のリスクを高めるどんな事象後にも、予防処置として抗生物質が与えられます。このような感染症は非常に重症です。

高血圧性心疾患

動脈の血圧は種々のメカニズムで上昇する。その一つは、心臓の拍出力が強くなり、毎秒送り出される血液の量が増えることです。もう一つの可能性は、太い動脈が正常な柔軟性を失って硬くなり、心臓が血液を拍出するときに拡張できなくなることです。その結果、血液は拍動のたびに通常よりも狭い空間を通して無理に送られるため、血圧が上昇します。これが、動脈硬化により動脈壁が厚く硬くなった高齢者に起こっていることです。血圧は血管収縮時―神経または血液中のホルモンによって刺激され、細い動脈(細動脈)が一時的に収縮しているとき―にも同じく上昇します。動脈の血圧を高める第三のメカニズムは、循環体液量が増えることである。これは、腎臓が機能異常を来し、身体から塩分と水を十分に取り除くことができなくなったときに起こります。体内の血液量が増加するため、血圧は上昇します。
 これと反対に、心臓のポンプ機能が低下したり、動脈が拡張したり、あるいは循環体液量が減少すると、血圧は低下する。このような要因の調整は、腎機能、自律神経系―多くの身体機能を自動的に調節している神経系―の変化によってつかさどられています。

虚血性心疾患(狭心症)

心臓の酸素必要量は、どれほど激しく心臓が働いているか――どれほど速く心臓が拍動しているか、拍動がどれぐらい強いか――によって決まります。身体運動や情動によって心臓はさらに激しく働き、このため心臓の酸素必要量は増します。動脈が狭窄または閉塞して、酸素必要量の増加に見合う筋肉への血流増加が起こらなくなってきますと、虚血が生じ、痛みが生じます。 虚血のある人すべてが狭心症を経験するわけではありません。狭心症を伴わない虚血は無症候性虚血と呼ばれます。虚血が無症候性の場合がある理由は分かっていません。
 最も一般的には、患者は胸骨の真下に圧迫感または痛みとして狭心症を感じます。痛みは左肩、左腕の内側、背中、咽喉、顎、歯で起こることがあり、右腕で起こることもあります。この感じを痛みというよりも不快感と表現する人が多いものです。
 典型的には、狭心症は身体活動によって誘発され、数分を超えては続かず、安静にしていれば治まります。ある程度の激しい運動をすると狭心症が起こると予測できる人がいます。また、狭心症が予期せずに生じる人もいます。食事の後に運動した場合に、よりひどい狭心症が起こることが多く、寒い気候の時にも、一般に狭心症は悪化します。風が吹く中を歩いたり、暖かい部屋から寒いところに移動したりすると狭心症発作を起こすことがあります。感情的なストレスのせいで狭心症が起こったり、悪化したりすることもあります。安静にしていて強い感情がわき起こったり、睡眠中に悪い夢を見たりしたために狭心症が起こることもあります。

心臓弁膜症

心臓の弁膜が開閉運動に支障をきたした状態で、心臓の送血効率が低下してきます。
 弁膜の開放がうまくいかない状態を「狭窄症」とよび、閉鎖がうまくいかない状態を「閉鎖不全」と名づけます。
 心臓の弁膜は、僧帽弁、大動脈弁、肺動脈弁、三尖弁の4つがありますから、それぞれに狭窄と閉鎖不全の2つの場合があるとなると8種類の弁膜症が存在する計算ですが2つ以上の弁膜が傷害を受けている場合もあり、1つの弁に狭窄と閉鎖不全が同時に存在することもあるので、ひとくちに心臓弁膜症といっても、その種類、程度は千差万別です。