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しもやけと漢方薬

中医学(漢方)からみた、しもやけの原因とメカニズム

しもやけは、手や足の指などの末端に、気や血がめぐらなくなって起こる症状です。主な症状はかゆみですが、ひどくなると痛んだり、皮膚の感覚が鈍くなったりすることもあります。
 しもやけの原因の一つは、外部からの寒冷刺激です。冷えや寒さといった寒邪には、組織を収縮させるという特徴があります。そのため、からだが寒冷にさらされると、気血の通り道が収縮し、気血が末端までめぐりにくくなってしまうのです。
 また、気血のめぐりが悪い、陽気が不足している、気血が不足している、などの体質素因があると、外からの寒冷刺激の影響を受けやすくなります。
 治療の際には、しもやけの状態や程度を見極めることが大切です。

急性の場合

①冷えて白っぽくむくんでいる。
②気血の循環障害がおこり紫色になっている。
③気血の滞りが長引いて、患部が熱をもって腫れたり、潰瘍やびらんができている、という三段階に分けることができます。程度がひどくなると、治療も長引きますので、なるべく早い段階で治すことが大切です。
 体質的な問題がある場合は、ふだんから体質を正常な状態に戻す治療を行い、しもやけができたときには、急性期と同じような治療を併用します。

冬の生活としもやけ

しもやけは、寒冷によって起こる症状です。そのため、寒い日も外で遊ぶことが多い子どもや、寒い地域に住む人に特に多いと思われがちですが、実際には若い女性などにもよくみられます。これは、寒い冬に薄着をしたり、熱帯産の果物や生野菜、刺身など、からだを冷やす食べ物を食べる習慣があることと関係があります。このような生活を続けていると、血の流れが悪くなったり、陽気が不足する原因となり、しもやけになる可能性が高くなります。
 しもやけを予防するためには、衣食住すべての面で防寒対策をとることが必要です。また、すでに体質的に問題が起こっている場合には、秋に入ってから漢方薬を服みはじめるのもよい方法です。