性病 サプリメント

クラミジア感染症

一般にクラミジア感染症は、クラミジア・トラコマチスによる性感染症をさします。全国には、クラミジア・トラコマチスによる性感染症の外来患者は100万人に達している、と推定した報告もあります。また男女を問わず、成人の3〜5%はこの微生物に感染しているともいわれています。
クラミジアに感染、発症すると、男性は排尿時の痛みや尿道のかゆみ、女性は腹痛や不正性器出血などの症状がある。ただ、症状が弱いため患者本人が気づかずに他人に感染させることが少なくないとされます。抗生物質を一〜二週間ほど投与すれば治りますが、放置しておくと不妊や異常妊娠の原因ともなります。
20歳代では、20人に1人です。女性の感染者の3人に2人までが、自覚症状はありません。
ちなみに男性の場合は非淋菌性尿道炎のため、尿道口から、サラサラしているか、または粘液性の分泌物が出て下着が汚れます。排尿痛を感じる人もいますが、軽いことが多く、尿道のかゆみや不快感程度しかあらわれない場合もあります。
女性の場合、子宮頸管炎が起こるため、おりものが少しふえたり、会陰部の不快感や痛み、下腹部痛などの症状がでることがありますが、ほとんどの場合、自覚症状がなく、いつ感染したのかもわかりません。 放置しますと卵管炎などを起こし不妊症の原因なります。
パートナーの多い方は、自覚症状がなくても1年に1回の検査が勧められています。おりものの性状が変わった、排尿痛、排尿時の違和感がある方は、ぜひ検査をお受けください。症状は、しばらくするとなくなりますので、しらずしらずのうちにパートナーに感染してしまいます。感染している場合は、パートナーも検査を勧めて一緒に治療してください。男性の症状としては、亀頭がむずむずし、かゆみを伴い尿道炎が主体となります。
咽頭炎、扁桃炎等も引き起こします。また、性器感染を起こしている女性からの新生児は垂直感染を引き起こします。ものすごく多い性病です。予防はコンドームしかありません。

淋病

淋病は淋菌という細菌の感染によって起こる病気で、性交渉で感染する性感染症のひとつです。
淋菌は、淋病にかかっている人や保菌者と性交を行なったさい、男性には淋菌性尿道炎、女性には淋菌性頸管腟炎などを引き起こします。  1回の性交で感染する確率は、男性から女性への感染が80%程度、女性から男性への場合は20%程度とみられています。大多数は性交による感染ですが、抵抗力のない少女では、菌のついた下着とか、浴槽から感染することもあります。感染後二,三日から一週間ぐらいして発病します。
症状は外陰部に炎症を起こし、分泌物をだす腺が詰まって、バルトリン腺嚢腫を起こします。また、尿道のほうにも菌が入って尿道炎を起こし、排尿のときに痛みを感じ、膿が出るようになります。
菌はさらに膣に進んで、淋菌性膣炎を起こし、子宮頸管から子宮内腔へ進んで子宮内膜炎を起こし、さらには淋菌性卵管炎を起こし、最もひどい場合は、腹腔にまで進んで淋菌性腹膜炎さえ起こすことがあります。
尿道に入った菌は膀胱にまで進んで膀胱炎を起こします。こうなると発熱が続き、排尿痛や下腹痛、膿のようなおりものがふえます。
男性の場合は、淋病にかかるとひどい排尿痛と黄色い膿ですぐわかりますが、女性の場合は排尿痛が軽い場合があるので、ひどくなるまでわからないことがあります。
卵管炎を起こすと、卵管の通過性がなくなり、なおっても不妊症になってしまうことがあります。しかし、早期に治療すれば、後遺症を残さないで完全になおってしまいます。
治療にはセフェム系やニューキノロン系の抗生物質の内服療法を7日間ほど続けます。一般に用いられる抗生物質に耐性(薬物に耐えられる性質)のある淋菌もふえているために効果がない場合は、ほかの薬剤に切り換えることもあります。症状がなくなっても、完全に菌がいなくなったことを確認するまで服用しなければなりません。

梅毒

梅毒は、スピロヘータの一種であるトレポネマ・パリズムという微生物の感染により起こる病気で、性交渉で感染する性感染症のひとつです。治療しないでいると、十年から数十年という長い時間をかけて少しずつ進行し、からだ全体の臓器が侵されていきます。
梅毒は、病原のトレポネマ・パリズムに感染後、長期間にわたって症状の出現と潜伏を繰り返すため、病期が1〜4期に分類されています。今日では、感染から3年以上経過する3期梅毒、4期梅毒の患者はみられなくなりました。
●各期の症状
第1期では、親指大の潰瘍が外陰部にできます。初期硬結といって、痛みのないのが特徴です。この時期はまだワッセルマン反応(梅毒の血清反応)で陰性のことがあります。
感染して四週間以上たったころに、そけい部のリンパ節がはれてきます。これも痛みはありませんが、ワッセルマン反応が陽性となってきます。七週間ぐらいで初期硬結は自然になおって、梅毒の潜伏期間となります。
ここまでが第1期の症状です。
感染して約3ヶ月後に、第2期の症状があらわれてくるようになります。全身にバラ診といわれる、赤い発疹が出たり消えたりするようになります。これも痛みのない発疹です。
その後2,3週間たつと親指大の赤い斑点が手の平や足の裏、肛門、陰部などにみられます。これを梅毒疹といいます。その他、頭髪が薄くなってくるし、外陰部にただれたしこりのようなものが再びあらわれるようになります。時々頭痛や関節痛があることもあります。
ここまでが第2期の症状です。
感染後三年ぐらいして第3期に入るのですが、大きな発疹が不規則にあらわれるようになり、発熱することもあります。
第4期になると体の各所に、ゴム腫といわれるこぶのようなしこりができるようになります。10年、20年とたつうちに、内臓や血管、神経もおかされて、いわゆる脳梅毒といわれる状態になってしまうのです。
●血液検査
ワッセルマン反応で、ほぼ確実に診断されます。前にも述べたように、ワッセルマン反応は、感染後四,五週間ぐらいたってからでないと陽性と出ません。リンパ節がはれるころ、つまり病原体が血液に入ると陽性と出ます。
正確に診断できるのは、感染後六週間以上たってからです。感染が疑われるならこのことを頭に入れて、検査を受ける必要があります。
●梅毒の治療
治療には抗生物質が非常に有効で、ペニシリン、エリスロマイシン、テトラサイクリンなど多くの抗生物質が有効で、それらを注射または内服します。 早期に専門医の指示のもとに、完全に治療することが大切です。
●先天性梅毒について
先天性梅毒は胎盤を通して胎児に感染します。胎児のほとんどは死亡して流産しますが、24週過ぎに早産になるか、まれには四〇週もって生まれてきます。
先天性梅毒は発症の時期により、梅毒症状をすでに備えて生まれる胎児梅毒と、生後1,2ヶ月のうちに発症する乳児梅毒と、七,八歳頃発症する晩発性先天梅毒に分けられます。
先天梅毒は、そのほとんどが梅毒反応に陽性をしまします。

軟性下疳

軟性下疳[なんせいげかん]はヘモフィルス・ジュクレイ(軟性下疳菌)という細菌の感染によって起こる病気で、性交渉で感染する性感染症のひとつです。軟性下疳は淋病、梅毒と並ぶ「第三性病」という呼称もあり、性病予防法により、診断した医師の届け出が義務づけられています。ヘモフィルス・ジュクレイ菌の感染で起こり、1〜7日間ぐらいの潜伏期をへて発症します。外陰部や膣に潰瘍ができ、そののちそけいリンパ節が化膿してはれてきます。 治療はストレプトマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコールなどの抗生物質の内服で10日間ぐらいでなおります。

鼠径リンパ肉芽腫(性病性リンパ肉芽腫)

鼠径リンパ肉芽腫は、クラミジア・トラコマチスという微生物の感染により起こる病気で、性交渉で感染する性感染症のひとつです。性病性リンパ肉芽腫、ニコラ・ファーブル病とも呼ばれ、鼠径部のリンパ節がはれてかたまり、膿がでるなどの症状があらわれます。日本ではほとんどみられない性病です。
鼠径リンパ肉芽腫は淋病、梅毒、軟性下疳[げかん]と並ぶ「第四性病」という呼称もあり、性病予防法により、診断した医師の届け出が義務づけられています。  クラミジアの亜種には、クラミジア・トラコマチスをはじめ、オウム病の原因菌のクラミジア・シッタシ、肺炎や気管支炎の原因となるクラミジア・ニューモニエの3種があります。クラミジア・トラコマチスによる性感染症には、男女ともに起きる非淋菌性尿道炎、女性に起きる腟炎、子宮頸管炎、卵管炎などがあり、鼠径部リンパ肉芽腫はそのひとつです。
1〜4週間ほどの潜伏期があって発症します。初期では陰部に疱疹、丘疹ができますが、見過ごされてることが多いようです。しばらくするとそけいリンパ節がはれて化膿します。そけいリンパ節のほかに、腸骨や股部のリンパ腺炎を合併することもあります。
女性の場合、外陰部、肛門、直腸の潰瘍ができたり、大陰唇、小陰唇が象皮病様になることもあります。テトラサイクリン系の抗生物質の内服で2週間ぐらいでなおります。

エイズ

後天性免疫不全症候群は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス、エイズウイルス)の感染によって起こる病気です。HIVに感染すると免疫機能が破壊され、病原となりにくい微生物に繰り返し感染するようになります。その結果、いろいろな感染症にかかったり、悪性腫瘍ができて治りにくくなった状態がエイズです。HIVに感染してもエイズを発症していない人をHIV感染者という場合があります。
エイズ患者やHIVのキャリア(ウイルス保有者)の血液、唾液、髄液、精液、腟分泌物、母乳といった体液や、皮膚、リンパ節、脳などの組織に含まれています。ふつう感染源となるのは血液、精液、唾液、母乳です。このため、感染経路は性交渉、血液の濃厚な接触、母子感染の3つだけで、日常生活で感染することはありません。
エイズ電話相談窓口
●エイズ予防財団 TEL0120-177812(フリーダイヤル) 月〜金曜日午前10時〜午後1時・午後2時〜5時(祝祭日を除く)
●東京都エイズテレホンサービス TEL0120-048840(フリーダイヤル) 24時間無休、都内のみ利用可能。エイズに関する基礎知識(エイズの現状、感染経路や予防法など)、検査の受け方、夜間検査の受付案内などを説明するテープが聞ける。
●東京都衛生局 TEL03-5320-4485 月〜金曜日午前9時〜午後5時(祝祭日を除く)
●東京都衛生局・夜間休日窓口 TEL03-3292-9090 月〜金曜日午後6〜9時、土・日・祝祭日午後2時〜5時
●HIVと人権・情報センター
東京TEL03-5259-0255 月〜金曜日正午〜午後2時、日曜日午後2〜6時
大阪TEL0720-43-2044 土・日曜日午後1〜6時
●東京都立駒込病院 TEL03-3823-2101(代)
月〜金曜日午後2時〜午後4時半(祝祭日を除く)
●東京都立墨東病院 TEL03-3633-6151(代)
月〜金曜日午後1時半〜午後5時(祝祭日を除く)