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  胃痛と漢方

胃の痛みのメカニズム


ストレスの多い現代人にとって胃の痛みは大変身近な症状です。慢性化して薬を常用している人も多くみられます。しかし、一時的に痛みは抑えられても、本当に合う薬が見つかることは少ないのが現状のようです。
胃の痛みのメカニズム
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1 気が停滞すると痛みが発生
  中医学では、気体や液体に転化しながら体内のあらゆるところに栄養を運んでいる「気」が滞ると、痛みがおこると考えています。そのため、胃の痛みに関する治療も「通じさせる」ことがポイントになります。通じさせる役割を持つ臓は、精神・情緒をつかさどる「肝」です。肝と「脾胃」の関係は密接で、肝の働きが停滞すると脾胃に問題がおこり、脾胃が機能停滞を起こすと肝に十分な栄養を与えることができなくなるという相互関係があります。ストレスや悩みがあると胃腸の調子が悪くなり、胃腸の調子を崩すと憂鬱になるのは、まさに肝と脾胃の関係を表しています。
2 急な痛み・緩やかな痛み
  腹部に痛みがある場合、現代医学ではまず検査によって病変がおこっている部位を突き止めるのに対し、中医学では、①緩・急②寒・熱③虚・実という痛みの程度や性質を参考に、病気のタイプを見極めていきます。冷たいビールを一気に飲んだり、寒いところにいってからだが冷えると、急に胃が痛むことがあります(「急」)。これは、寒冷によって胃腸が急速に緊張し、機能が停滞したために起こる痛みです。寒冷ばかりでなく、食べ過ぎによる消化不良が原因で急に痛むこともあります。一方、悩みやストレスが原因となっている場合、痛みはゆっくりと始まり、だんだん強くなっていきます(「緩」)。これは、肝の機能停滞が胃腸の働きに影響し、気を滞らせてしまった状態です。また、もともと胃腸が弱い人がは、食べるものを上手に消化・吸収することができないため、胃に余った水が生まれます。この水が肝の働きを邪魔すると、徐々に痛みが現れるようになります。
3 冷たいタイプと熱いタイプの痛み
  胃の痛みが、寒いタイプか熱いタイプかを見極めることは非常に大切です。判断を誤ると、寒いタイプの痛みに熱を取り除く薬を与えたりして、病状を悪化させることになりかねないからです。寒い痛みは、」冷たい飲食物や寒いところを嫌う、手足の冷えがある、尿は透明に近いなどの特徴があります。この場合は胃に張りがあり、さわられるとよけいに痛みますが、もともと胃腸が弱く、体に必要な熱量を生むことができない人の痛みは、同じ寒いタイプでも、シクシクとした痛みで、押さえたり温めたりすると楽になります。
逆に、冷たいものを飲みたがる、熱いものを嫌う、尿の色が濃いといった症状がある人は、熱タイプの痛みと考えられます。辛いものや脂っこいものを食べ続けたり、ストレスなどが影響している場合には便秘症状が現れることもあります。また、こういう状態が長びいたり、熱病を患った後に起こる熱い痛みは、おなかが空いても食べられない、胸やけがする、胸苦しいといった特徴があります。これは、熱によって胃に潤いが失われたために起こる症状です。
4 空腹時シクシク・食後にキリキリ痛む
  中医学独特の表現に「虚」「実」がありますが、虚の痛みの症状としては次のように分けられます。
 まず、「虚」タイプは、痛みが緩やかで激しくない、軽く押さえると気持ちよく感じる、脹りはなく、触ると柔らかい、痛む部位が一定していない、空腹時に痛むことが多い、便は正常か軟便、温かいものを好むなどの症状があります。
 これに対して「実」タイプは、痛みが比較的激しい、触れられるのを嫌がる、脹りがある、触ると固い、痛む部位が一定している、食後に痛む、便秘がち、冷たいものを好むという傾向があります。
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