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芍薬

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芍薬(しゃくやく)

シャクヤクPaeonia lactiflora Pallasまたはその近縁種(ボタン科Paeoniaceae)の肥大根。日本在来品種の根の外皮を除き干したものを生干芍薬(商品名を大和芍薬ということがある)。同様のものを湯通しして乾燥したものを真芍(しんしゃく)という。根のコルク皮を取り湯通し乾燥したものを「白芍(はくしゃく)」という。また根の外側のコルク皮を着けたまま乾燥した皮付きのものを「赤芍」ということがある。中国四川産の赤芍にP. veitchii Lynchを基原とするものがあり、これを川赤芍と称する

【出典】 神農本草経 中品
【別名】 川白勺、赤芍(セキシャク)、真芍(シンシャク)、生干芍薬(ショウボシシャクヤク)
【成分】 配糖体のペオニフロリン(Paeoniflorin)、安息香酸、ガロタンニンなど
【効能】 鎮痛、鎮静、鎮痙、平滑筋弛緩、抗炎症
【薬理作用】 補血・緩急止痛
鎮痙・鎮痛作用、鎮静作用、抗菌作用、抗真菌作用
このほか臨床的観察によると止汗・利尿などの作用もある。
【臨床応用】 主として柔肝止痛・補血・補陰に用いる。
肝脾不和・肝胃不和など肝気鬱結のために生じた腹痛に用いる。
下腹部の不快感・疼痛などをともなう月経不順・不正器出血に用いる。
血虚による四肢の筋肉痙攣に用いる。
肝陰不足による眩暈・耳鳴りなどに用いる。古人は芍薬は、「養肝陰の主薬である」として眩暈・耳鳴り・目がかすむ・肢体のしびれ・筋肉の痙攣・舌質淡白・脈弦細あるいは弦有力などの肝陰虚の症状(慢性肝炎・貧血・高血圧症・動脈硬化症などでよくみられる。)に広く使用している。
発熱性疾患による脱水に使用する。陰虚で汗が多いものにも使用する。
手足の疼痛、下痢等に用いる。
【性味】 味は酸・苦、性は微寒。
【帰経】 肝経
【処方】 芍薬甘草湯、当帰芍薬散、温経湯、温清飲、葛根湯、葛根湯加川きゅう辛夷、加味逍遥散、荊芥連翹湯、桂枝加芍薬湯、桂枝加芍薬大黄湯、桂枝加竜骨牡蛎湯、桂枝茯苓丸、五積散、柴胡桂枝湯、四逆散、 七物降下湯、四物湯、十全大補湯、小建中湯、小青竜湯、逍遥散、 疎経活血湯、大柴胡湯、当帰飲子、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、人参養栄湯、防風通聖散、麻子仁丸、よく苡仁湯、鹿茸大補湯
【用量】 9~12g
【使用上の注意】
【産地】 日本各地、中国
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