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紫根

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紫根(しこん)

ムラサキLithospermum erythrorhizon Siebold et Zuccarini(ムラサキ科Boraginaceae)の根を乾燥したもの。なお中国ではこれを硬紫根と称するが、まれに同科のOnosma paniculatum Bur.et Fr.ほかを含めることがある。また同科のMacrotonia euchroma Paulsの根を軟紫根と称す

【出典】 神農本草経 中品
【別名】 紫草(シソウ)、紫丹(シタン)、茈草(シソウ)
【成分】 ナフトキノン類のアセチルシコニン(acetylshikonin)、シコニン(shikonin)という色素や青酸配糖体lithospermosideなど
【効能】 消炎、解熱、活血、解毒
【薬理作用】 涼血解毒・透疹
最近の実験によると、これらの効能は解熱作用と関連がある。
強心作用・解熱作用・抗真菌作用・抗ウイルス作用・下垂体および絨毛膜ゴナドトロピンへの拮抗作用
その他:現在、紫根は麻疹を予防し、湿疹様皮膚炎・女性外陰部の炎症などに効果があることが観察されているが、機序はまだ明らかではなく研究に値する。
【臨床応用】 水痘・麻疹に対する主薬である。
水痘・麻疹の初期で、色が赤くて発疹しそうで発疹せず、便秘をともなっているときに使用すると、完全に発疹して(透発)病勢が軽減する。下痢・泥状便のものや、鮮紅色に発疹したものには使用しない。
湿疹・女性外陰部の炎症には、紫草油(紫根を植物性の油にとかしたもの)を外用する。。
【性味】 味は甘・鹹、性は寒
【帰経】 心・肝経
【処方】
【用量】 3~9g
【使用上の注意】 “紫草”の名称がついている3種類の薬物を鑑別する必要がある。
紅条紫草:本項で述べたムラサキ科ムラサキの根(紫根)。
北紫草:白頭翁の一種バラ科委陵菜(カワラサイコ)。
紫草茸:ラックカイガラムシが樹上で分泌した脂状ゴム様物質
【産地】 中国、韓国、日本
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