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川芎

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川芎(せんきゅう)

日本産は、センキュウCnidium officinale Makino(セリ科Umbelliferae)の根茎を約70℃の温湯で15分ほど湯通し乾燥したもの。中国産は、セリ科Ligusticum chuanxiong Hort.を基原とする

【出典】 神農本草経 上品
【別名】 芎窮(キュウキュウ)、撫芎(ブキュウ)、川窮(センキュウ)
【成分】 精油1~2%で、リグスチリド(ligustilide)、クニジリット(cnidilide)、ネオクリニジット(neocnidilide)など
【効能】 鎮静、鎮痛、鎮痙、補血、活血、強壮
【薬理作用】 活血行気・去風止痛
鎮痙作用、鎮静作用、降圧作用、血管拡張作用、抗菌・抗真菌作用
【臨床応用】 頭痛に用いる。古人は経験的に、“頭痛には必ず川芎を使用する”といっているが、実際は川芎の性味は辛散で去風の力が強いので、主として風寒感冒の頭痛や風湿による偏頭痛に有効である。あらゆる頭痛に適用するわけではない。
このほか、肝気欝結による瘀血頭痛(神経症などで、自律神経の失調により頭部の血管の収縮・拡張が障害されたときに見られる)にも川芎を使用する。
また、産後の血虚による軽度の頭痛にも用いる。
高血圧症・肝陽上亢・肝火上炎(顔面紅潮・顔がほてる・口が苦い・目の充血・耳鳴りなど)、重症の血虚による頭痛などには、川芎を使用すると眩暈を生じることがあるので、白疾黎で代用した方がよい。
月経不順に使用する。月経痛・稀発月経・過少月経・無月経などで、口唇の色が淡白・顔面蒼白・下腹部痛などの血虚の症状があるときには、川芎を使用して活血・鎮痛し、他の養血薬を配合する。
風湿・気滞による血管閉塞・筋肉に対する血液の栄養障害などによって生じた四肢による麻痺・筋リウマチ・慢性関節リウマチなどによる疼痛・しびれ・痙攣などに、川芎を他の去風養血薬とともに使用する。
このほか、蕁麻疹・湿疹などでは、血流を促進して他の薬の作用を助長する(いわゆる載薬上行)のでよく配合される。用量は少ない方がよい。
【性味】 味は辛、性は温
【帰経】 肝・胆・心包経
【処方】 温経湯、当帰芍薬散、四物湯、温清飲、葛根湯加川きゅう辛夷、荊芥連翹湯、五積散、酸棗仁湯、七物降下湯、四物湯、十全大補湯、十味敗毒湯、清上防風湯、川きゅう茶調散、疎経活血湯、当帰飲子、女神散、防風通聖散、抑肝散加陳皮半夏
【用量】 少量を用いるのがよく、大量では嘔吐・眩暈などをおこしやすい。常用量は1~6gで、通常3~5g。月経不順には6~9g。蕁麻疹・湿疹に引経薬として使用するときは3g以下。
【使用上の注意】 過多月経・出血性疾患・陰虚火旺には使用すべきではない。
四物湯で行血養血する必要があるが、川芎の辛散の性質が障害になる場合には丹参で代用する。
【産地】 中国、日本
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