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山薬

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山薬(さんやく)

ヤマノイモDioscorea japonica Thunberg ナガイモDioscorea batatas Decne(ヤマノイモ科Dioscoreaceae)または同属近似種の地下塊茎(担根体)を、周皮を除いて乾燥したもの。ムカゴは零余子(れいよし)、茎は山薬藤(さんやくとう)という

【出典】 神農本草経 上品
【別名】 薯蕷(ショヨ)、山芋(サンウ)、淮山芋(ワイサンウ)
【成分】 でんぷん、糖、蛋白質、アミノ酸、マンナン、サポニンのdioscin、コリン(choline)、ジアスターゼなど
【効能】 滋養強壮、強精、止瀉、鎮咳、止渇
【薬理作用】 補脾胃・益肺腎
滋養作用・止瀉作用・去痰作用
【臨床応用】 脾腎の虚証に、一般的な滋養補益の薬物として用いる。
脾虚による下痢に用いる。山薬だけを大量に使用すると、脾を補って、下痢を止め・消化を助ける。毎日山薬60gを水煎して茶の代わりに服用する。
慢性咳嗽で、稀薄な痰が多量に出る・食欲がない・身体が痩せる・元気がないなどの肺脾両虚の症状があるとき(肺結核にみられる)には、山薬に党参・川貝母・茯苓・杏仁などの補気・止咳化痰の薬物を配合して用いる。
軽度・中等度の糖尿病に相当する“消渇証”に対しかなりの効果がある。山薬を食べるか、毎日150gずつ水煎して長期間茶の代わりに服用する。
このほか、寒涼薬を服用しすぎて下痢したときには、生山薬60~120gを濃く煎じて服用すれば効果がある。
【性味】 味は甘、性は微温
【帰経】 脾・肺経
【処方】 参苓白朮散、牛車腎気丸、知柏地黄丸、 八地黄丸、 麦味地黄丸、 六味丸味
【用量】 9~30g、多いときは60~120g。食料には適量で、最高250gまで用いてよい。
【使用上の注意】 炎症性の下痢に用いてはならない。大便が硬いときには使用しない方がよい。多服するとかえって気滞を生じやすい。脾虚でも、腹が脹って苦しいときには用いない方がよい。またアルカリ性の薬物と混合したり、煎じる時間が長すぎると、含有するアミラーゼの効力がなくなる。
【産地】 中国、日本
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