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山茱萸

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山茱萸(さんしゅゆ)

ミズキ科CornaceaeのサンシュユCornus officinalis Siebold et Zuccariniの偽果の種子を抜き取った果肉を乾燥したもの

【出典】 神農本草経 中品
【別名】 茱萸(シュユ)、山萸肉(サンユニク)、蜀棗(ショクソウ)、棗皮(ソウヒ)
【成分】 イリドイド配糖体のモロニサイド(morroniside)、ロガニン(loganin)、サポニン、タンニンなど
【効能】 強壮、収斂、止血、補腎
【薬理作用】 補益肝腎・渋精・斂汗
滋養作用、収斂作用、抗菌・抗真菌作用
山茱萸には利尿作用があるという実験報告があるが、これは“山茱萸は固渋小便(抗利尿)する”という中医の臨床経験とはまったく相反するものである。実験と臨床的観察の両面でさらに検討を要する。
【臨床応用】 主として肝腎不足で滑脱の症状のあるものに用いる。
腎虚(腎陰虚と腎陽虚)に効果があり、左帰飲(補腎陰)にも右帰飲(補腎陽)にも山茱萸が用いられている。
気血両虚による不正性器出血・月経過多に用いる。ただし、単味では力が弱いので多量に用い、炭類止血薬を配合してはじめて効果がある。
止汗に用いる。とくに亡陽(急性・慢性の虚脱状態)で汗が出て止まらないときに効果がある。
大量の汗・四肢が氷のように冷たいなどの虚脱の症状には、山茱萸を必ず用いる。単味で30~60gを濃煎するか、五味子・党参を配合する。
肝腎陰虚で上腹部痛をともなうものに用いる。山茱萸は固渋のほかに理気・鎮痛の効能があるからである。
(附)山茱萸は補益力は十分であるが、薬性はおだやかである。滋養と収斂の効能があり、しかも抗菌作用をもっているので、正気を保護して邪をとどめない。また血流を促進するので解表にも有利である。
【性味】 味は酸・渋、性は微温
【帰経】 肝・腎経
【処方】 牛車腎気丸、 知柏地黄丸、 麦味地黄丸、八味地黄丸、六味丸
【用量】 常用は3~9g。虚脱には60~120g。
【使用上の注意】 尿が出にくいものには投与してはならない
【産地】 中国
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