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柴胡

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柴胡(さいこ)

ミシマサイコBupleurum falcatum L.、(セリ科Umbelliferae)またはその変種の根。植柴胡と呼ばれる市場品は、元来野性のものである柴胡を栽培生産したもの。日本産のミシマサイコを韓国で栽培したものの輸入品をいうことが多い。唐柴胡は、中国輸入品の市場名で、原植物の基原を異にする。マンシュウミシマサイコ(北柴胡)Bupleurum chinense DC、ホソバミシマサイコB. scorzoneraefolium Willd(南柴胡).その他の近縁種の根である。中国市場で銀柴胡と称するものはナデシコ科(Caryophylaceae) Stellaria dichotoma L. var. Ianceolata Bungeの根である。
(補)国産のミシマサイコが最良品であるが、野生品はほとんど姿を消し、栽培品がほとんどである。

【出典】 神農本草経 上品
【別名】 北柴胡(ホクサイコ)、津柴胡(ツサイコ)、植柴胡(ショクサイコ)
【成分】 サイコサポニン(saikosaponin)a~f、ステロイド、脂肪酸など
【効能】 解熱、解毒、鎮痛、鎮静、胸脇苦満、寒熱往来などの消炎
【薬理作用】 解表・解熱・疏肝解欝・升挙陽気解表・解熱・疏肝解欝・升挙陽気解熱作用、鎮静、鎮痛、鎮咳作用等の中枢抑制作、抗炎症作用、抗潰瘍作用、脂質代謝に 対する作用等きわめて多岐にわたって薬理作用をもっていることが認められている。 かつこれら薬理作用を示すものが主として柴胡の有効成分であるsaikosaponinによ るものであることが、明らかにされた。 柴胡の薬理作用として、鎮痛、鎮静、 鎮咳などの中枢抑制作用や、抗炎症作用、抗潰瘍作用、脂質代謝作用等が認められている。これらの薬理作用は柴胡の薬能の一部を説明しているものと思われる。
【臨床応用】 弛張熱の解熱に用いる。
肝気鬱血による胸痛・生理痛に用いる。
【性味】 味は苦、性は微寒
【帰経】 心包・肝・三焦・胆経
【処方】 乙字湯、 加味帰脾湯、 加味逍遙散、 荊芥連翹湯、 柴胡桂枝湯、 柴胡桂枝乾姜湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、 四逆散、 十味敗毒湯、 小柴胡湯、 逍遥散、 大柴胡湯、 補中益気湯、抑肝散加陳皮半夏
【用量】 6~18g 肝気鬱結をといて鎮静・鎮痛するときは6~9g。解熱発汗作用を強めるときには15~18gまで用い、時間をかけて濃く煎じる。
【使用上の注意】 陰虚による咳嗽や潮熱には、柴胡を用いるべきではない。
【産地】 日本、韓国、中国
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