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乳香

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乳香(にゅうこう)

乳香樹Boswellia carterii Birdwood(カンラン科Burseraceae)および同属植物の樹幹に傷を付けて得られる樹脂。ウルシ科AnacardiaceaeのPistacia lentiscus L.から得られる樹脂を洋乳香という

【出典】 図経本草
【別名】 燻陸香(クンロクコウ)、馬尾香(バビコウ)、西香(セイコウ)、摩勒香(マロクコウ)
【成分】 樹脂60~70%、植物ゴム質27~35%、精油3~8%、その他を含む
【効能】 鎮痛、止血、筋肉の攣縮攣急を緩和する
【薬理作用】 活血・止血・舒筋
作用は鎮痛・消炎である。
【臨床応用】 外科・整形外科の常用鎮痛薬で、没薬と併用することが多い。
瘀血による疼痛に対し、鎮痛作用がある。
打撲捻挫、とくに外傷後の瘀血による胸腹部の疼痛に、他の活血薬を配合して内服・外用する。新鮮な外傷による出血・疼痛には、炒炭(乳香炭・没薬炭)にして使用する。乳香・没薬は炒炭にすると鎮痛の力は弱くなる。
循環障害による四肢の疼痛に用いる。血栓性静脈炎には、乳香・没薬を補助薬として用いる。
冠不全による狭心痛にも、乳香・没薬を使用する。古人は、乳香・没薬は“心腹の血瘀疼痛”に効果があるとしている。最近の実験によると、乳香・没薬は冠不全の狭心痛に対し効果がある。報告によると、活血去瘀の方剤に乳香・没薬を加えると活血鎮痛効果が増強し、狭心痛に対する治療効果を高める。とくに絞約痛や刀でえぐられるような激痛に適用する。煎剤内に乳香・没薬各9gを入れて煎じるか、乳没片を服用する。
筋肉の攣縮に使用すると、活血鎮痛して筋肉攣縮を緩解する(舒筋活血)。気滞血瘀による筋肉の拘攣・疼痛・しびれ・運動制限には、その原因が打撲捻挫・風湿・血液循環障害などのいずれであっても、活絡方剤内に乳香・没薬を加える。
化膿症に使用する。
外用すると傷の癒合を促進する。外傷感染などで発生した潰瘍で、傷がなかなか癒合しないときには、乳香末を塗布するか乳香煎油を擦り込む。没薬を配合した粉末を傷に散布するか、その上を他の膏薬でおおうのもよい。肉芽形成促進・鎮痛作用がある。
【性味】 味は辛・苦、性は温
【帰経】 心・肝・脾経
【処方】
【用量】 3~9g、大量では15gまで。外用には適量で、滅菌する。
【使用上の注意】
【産地】 エチオピア、ソマリア
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