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何首烏

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何首烏(かしゅう)

ツルドクダミPolygonum multiflorum Thunb.(タデ科Polygonaceae)の塊状になった肥大根を乾燥したもの。異物同名品があり、ガガイモ科(Asclepiadaceae)Cynanchum auriculatum Royleの根を基原とする物がある。コイケマC. wilfordii Hemsl.、C bungei Decneの根を白何首烏と称する

【出典】 開宝本草
【別名】
【成分】 アントラキノン類のchrysophanol、emodin、physcion、rheinその他を含む
【効能】 新鮮な鮮何首烏、乾燥した生何首烏は、潤腸、解毒、瀉下、消炎作用があり、製何首烏(黒豆汁で蒸したもの、または火で炙った炙何首烏)は、強壮、益精補血、補肝腎
【薬理作用】 滋陰・強壮・益精補血
コレステロール降下作用・動脈硬化の抑制作用・瀉下作用・抗ウイルス作用
【臨床応用】 体質が虚弱で、腰や膝がだるく無力・頭がふらつく・目がかすむ・病的白髪・早期老化・遺精・帯下などの血虚の症状があるときに、滋補薬として用いる。何首烏は補益性があるが消化されやすく、胃腸のもたれ・肝火などを生じないので、特に“虚すれど補を受けず”の患者に適している。それゆえ、他の温補薬を受けつけないときは何首烏を用いる。
動脈硬化・高血圧・冠不全に使用する。日常的に服用していると、症状が軽くなり、健康状態が改善する。臨床的な観察によると、単独では血清コレステロールが減少する。
抑うつ型の神経衰弱に用いる。安神薬と一緒に使用した方が作用が全面的になる。
蕁麻疹・皮膚掻痒症などの血燥による皮膚疾患には、生何首烏を使用する方がよい。作用機序はまだ明らかになっていないが、古人は養血煩風の効能があるとしており、現在の分析では、腸内の毒素を瀉下作用によって排出した結果、刺激が減少するのであろうと考えられる。同時に、何首烏の副腎ホルモン様の作用によって抗アナフィラキシー作用が生じると考えられるが、具体的な機序については新たな研究を待たねばらない。
このほか、百日咳にも一定の効果があり、腸燥便秘・化膿症にも効果がある。
【性味】 味は苦・甘・渋、性は温
【帰経】 肝・腎経
【処方】
【用量】 9~15g
【使用上の注意】 生首烏は潤腸・瀉下・消炎の力が強く、製首烏は補益肝腎の効能が強い。生首烏を炮製すると、糖が増加し・結合anthraquinoneが減少し・遊離anthraquinoneは顕著に増加する。このことから、炮製の目的は瀉下作用のある結合anthraquinoneを加水分解して瀉下作用のない遊離anthraquinoneにすることと考えられる。
何首烏と熟地黄の比較:何首烏は補肝の力が強く、熟地黄は補腎の力が強い。何首烏は補益するが熟地黄のようにしつこくて消化されにくくはない。血虚の治療経験によると、心血・脳血の供給不足には何首烏を、気血両虚で末梢循環が悪く・手足が冷たいときには熟地黄を用いる方がよい。
【産地】 中国、日本ド
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