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沈香

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沈香(じんこう)

ジンコウノキAquilaria agallocha Roxburgh(ジンチョウゲ科Thymelaeaceae)などインド、ビルマ、ベトナム、マライ、中国南部などから産出するAquilariae属植物の樹脂を含む材。樹幹を土中に埋没させ、その辺材に黒色の樹脂が沈着したものを切り取って用いる

【出典】 名医別録 上品
【別名】 伽羅(キャラ)、奇楠香(キナンコウ)
【成分】 ベンジルアセトン(benzylacetone)、ジンコールなど
【効能】 鎮痛、鎮静、健胃整腸
【薬理作用】 降気和中・温腎補陽・散寒
鎮痛・鎮静作用があるらしい。
煎汁は人型結核菌を完全に抑制し、チフス菌・赤痢菌群にも強い抑制作用がある。
【臨床応用】 主として下腹部痛に使用する。
陽虚で血液循環が悪いため生じた下腹部痛・下腹部でガスが動いたり冷感があるとき(月経不順などで見られる)に用いる。
気管支喘息などの肺気壅滞による喘息に、補助薬として使用する。古人は沈香には降逆平喘の効能があって呼吸困難に有効であるとしている。
胃寒による吃逆・嘔吐(急性胃炎など)に用いる。この場合は、沈香を健胃薬として使用する。
【性味】 味は辛・苦、性は微温
【帰経】 脾・胃・腎経
【処方】
【用量】 1~3g。水を加えてすりつぶした粉末を日干ししてから丸・散にすることが多い。煎剤に配合するときには、すりつぶした汁を煎液で沖服するか・煎剤に後から入れる。
【使用上の注意】 沈香と肉桂は、どちらも虚寒による循環不良(気滞血オ)で生じた下腹部痛に効果がある。沈香は理気の効能によって胃腸の機能を回復し、肉桂は温陽の効能によって血液循環を促進する(散寒)。
気虚下陥・陰虚火旺には使用してはならない。
【産地】 インド、東南アジア、中国南部
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