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板藍根と新型肺炎SARS

中国の家庭や学校では、風邪やインフルエンザが流行する時期に板藍根(ばんらんこん)を煎じて、のんだり、うがいをしたり手洗いにも使うのが常識になっています。中国や香港では、新型肺炎SARS流行で、薬局で「板藍根」など予防薬を買いしめる騒動がありました。  板藍根はインフルエンザウイルスにだけでなく、肝炎ウイルスにも有効で、1988年上海で34万人もの人が発病したA型ウイルス性肝炎の流行時には、感染を恐れる北京市民がこぞって「板藍根(ばんらんこん)」を買求めた為に、薬局からこの薬がなくなったという経緯があります。板藍根(ばんらんこん)はアブラナ科タイセンの根です。 この板藍根で作られた「板藍根(ばんらんこん)」は中国ではとてもポピュラーな薬で、ウイルス性の風邪によく効くとされています。
 非典型肺炎予防に効果があるとされる「板藍根(ばんらんこん)」は一般的に、インフルエンザやのどがイガイガする時など服用する漢方薬の一種ですが、今まで普通の薬だったのが、2003年のインフルエンザ騒動で突然熱い注目を浴びるようになったようです。市内の中医医院(漢方系病院)では板藍根に替わる薬を従来の値段で処方しているところもあるようです。板藍根(ばんらんこん)はアブラナ科のホソバタイセイの根で、抗ウイルス作用、抗菌作用、解熱作用にすぐれた効果を持っています。副作用がすくなくインフルエンザや風邪をひいてしまった時にも、その予防にもどちらにも使います。
 近年、日本でもようやく板藍根(バンランコン)のエキスを抽出して顆粒状になったものが健康食品として売られるようになりました。甘くてのみやすいこともあり予防にも治療にも役立てたいところです。

板藍根

バンランコン【板藍根】
Strobilanthis Rhizoma et Radix
[基原]アブラナ科 Cruciferae の Isatis tinctoria L. 、タイセイ I.indigotica FORT. の根。
なお中国南部ではキツネノマゴ科 Acanthaceae のリュウキュウアイ Baphicacanthes cusia BREME. などの根が利用される。
[出典]藍《神農本草経上品》、板藍根《本草綱目》
板藍根[成分]indican
[効能]清熱解毒、涼血、利咽
[用法]熱病の発疹、丹毒、咽喉腫痛
[性味]苦。寒。
[帰経]心、胃
[処方]清咽解毒湯(疫喉浅論)、鹿茸丸(済生方)
[産地]中国
[補]中国華北ではアブラナ科(Cruciferae)ホソバタイセイIsatis tinctoria L.、タイセイI. Indigotica Fortuneの根を用いる。これは唐本草で菘藍と称されたものである。図経本草にある馬藍はリュウキュウアイを基原とするものといわれている(中葯大辞典)が、未詳である。
[臨床]主に、温熱病による発熱、頭痛、喉痛、あるいは発斑、急性流行性耳下腺炎、癰腫瘡毒などに用いる。
本品は大青葉に似ていて、清熱解毒の効能があり、さらに解毒散結に長じている。
外感風熱による発熱、頭痛、あるいは温病初期に用いるときには、銀花、連翹、荊芥を配伍する。