| 【出典】 | 
                神農本草経 中品 | 
              
               
                | 【別名】 | 
                
				栝呂根(カロウコン)、天瓜(テンカ)、樓根(ロウコン)、天花粉(テンカフン)、括呂根(カロウコン)、括樓(カロウ)、瓜呂(カロウ)、瓜樓(カロウ) | 
              
               
                | 【成分】 | 
                
				多量のでんぷん、多種のアミノ酸、およびトリコサント酸、サポニンなどを含む | 
              
               
                | 【効能】 | 
                 
				抗消化性潰瘍作用、インターフェロン誘起作用 | 
              
              
                | 【薬理作用】 | 
                
清熱潤燥・排膿消腫・生津止渇  
        現在では、抗腫瘍作用があることが実証されている。in  
        vitro  
        で、動物に接種した腫瘍に対しあきらかな抑制作用がある。 | 
              
               
                | 【臨床応用】 | 
                   
         
          - 肺熱による咳嗽に用いる。適応症は基本的にカロニンと同じであるが、天花粉の寒性は強く、清熱の効能がすぐれているので、熱象が強いときに適している。
  
          - 温熱病の口渇・煩躁・天花粉の寒涼で滋潤の効能を利用する。
  
          - 胃熱による傷陰(陰液の損傷。脱水に相当する。)で、煩渇・口や舌の乾燥・食欲過亢進・痩せるなどの症状があるとき(糖尿病にみられる)には、甘寒の天花粉で陰液を保護する。
  
          - 乳腺炎など熱証の化膿症に使用する。
  
          - 胞状奇胎に試験的に使用し、初歩的な観察によるとかなり効果がある。天花粉注射液10mlを生理食塩水500mlに加えて4~6時間で静脈内に点滴注入し、3~5回を1クールとする(注射の間隔は5~7日に1回とする)。使用前に皮内試験を行い、陰性者に使用する。また、悪性絨毛上皮腫にも試験的に使用しているが、効果は胞状奇胎に対するほどでない。
  
          - 妊娠中期の人工中絶に使用する。天花粉注射液の筋注(皮内試験が必要)でかなりの効果があることが報告されている。主として天花粉が胎盤絨毛膜細胞を変性壊死させることによって流産させるのである。薬物反応として、発熱・咽痛・発疹・注射部位の疼痛と腫脹などが生じる。
  
         
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                | 【性味】 | 
                
				味は甘・酸、性は寒 | 
              
            	
                | 【帰経】 | 
                
																肺・胃経 | 
              
				
                | 【処方】 | 
                
				柴胡桂枝乾姜湯など | 
              
				
                | 【用量】 | 
                
				湯剤には3~12g | 
              
            	
                | 【使用上の注意】 | 
                
         
          - 消化吸収能の低下(胃気虚)による湿痰やショック(亡陽)による煩渇には天花粉を使用してはならない。
  
          - 天門冬・麦門冬との比較:3者とも清肺潤燥の効能があるが、胃熱によって生じた肺熱には天花粉が、心熱によって生じた肺熱には麦門冬が、腎陰虚によって生じた肺躁には天門冬が適している。3者を同時に併用してもよい。
  
          - 天花粉は高分子の植物タンパクであるから、静注や筋注で発熱・心拍数増加・頭痛・胸苦しいなどの副作用を起こしやすい。それゆえ注意深く観察すると同時に、あらかじめ皮内試験を行わなければならない。
  
          
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                | 【産地】 | 
                中国、韓国、日本 |