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腎臓病によるむくみ
腎臓病では心臓も悪影響を受けます。それには、多くの腎臓病の症状に高血圧があることも関係しています。ことに急性糸球体腎炎の初期、中等程度以上の重さの慢性糸球体腎炎、腎硬化症では、高血圧がみられます。そういう場合には、腎性浮腫のうえに、さらに心臓性浮腫(うっ血性心不全)の要素も加わることになります。
 腎臓病のむくみは、おもに顔に出ます。目のまわりがどんよりとはれて、自分でもまぶたが重く、うっとうしい感じです。顔のむくみは、ことに朝、現れやすい傾向があります。しかし腎臓病のむくみも、ある程度以上になりますと、顔だけでなく、足にも現れるようになります。
 ことに度の強いのはネフローゼ症候群のむくみです。むくみの要因が幾重にも重なっているからです。顔も手も足もぶよぶよにはれます。あお向けに寝ていると背中も腰もむくみます。腹腔にも水が漏れて(腹水)、腹全体がだぶだぶにふくれます。
 ことに特徴的なのは頭の皮にまでむくみがくることです。後頭部の髪の毛のはえている皮膚がむくんで、指で押すとくぼみます。このようなむくみはネフローゼ症候群以外にはありません。
   
ネフローゼ症候群
  腎臓病のなかで、ネフローゼ症候群と呼ばれる病気は、糸球体と尿細管とにいちじるしい変化がおこって、高度の蛋白尿を出すのが特徴です。だいたい、どの腎臓病でも尿に蛋白が出るのが共通の病的現象ですが、ネフローゼ症候群では、ほかの種類の腎臓病とは比較にならないほど多量の蛋白尿が出ます。その結果、血液は蛋白不足になります(低蛋白血症)。
 ここから先はむずかしい専門的な理論になりますので、くわしい説明は省略しますが、蛋白不足の血液は浸透圧が低くなって、それがまた、毛細血管で水が血液中から組織のすき間へ移動する大きな原因になります。
   
血圧と腎臓
 

自律神経系の一部である交感神経系は、闘争‐逃避反応(脅威に対する身体反応)において一時的に血圧を上昇させます。交感神経系は心拍動の速さと強さの両方を増大させます。また、ほとんどの細動脈を収縮させるが、血液供給を増やす必要のある骨格筋などの特定の領域では細動脈を拡張させます。さらに、交感神経系は腎臓による塩分と水の排出を抑制し、それによって体内の血液量を増やします。また、交感神経系は、心臓と血管を刺激するホルモンであるエピネフリン(アドレナリン)とノルエピネフリン(ノルアドレナリン)を放出します。
 腎臓はいくつかの方法で血圧をコントロールする。血圧が上昇すると、塩分と水の排出を増やし、それによって血液量を減らして血圧を正常値に低下させる。逆に、血圧が低下した場合には、腎臓は塩分と水の排出を減らし、それによって血液量を増やして血圧を正常値に回復させる。腎臓はレニンと呼ばれる酵素を分泌することによって血圧を高めることもできます。レニンはアンジオテンシンと呼ばれるホルモンの産生を促し、アンギオテンシンはさらにアルドステロンと呼ばれるホルモンの放出を誘発します。
 腎臓は血圧のコントロールに重要であるため、多くの腎疾患や腎臓の異常によって高血圧が生じる可能性があります。例えば、一方の腎臓に血液を供給している動脈が細くなる(腎動脈狭窄症)と高血圧が起こることがある。種々のタイプの腎炎や、一方または両方の腎臓の損傷も血圧が上昇する原因となりえます。
 何らかの変化によって血圧の上昇が引き起こされる場合には、必ずそれを打ち消すような代償機構が働いて血圧を正常値に保ちます。したがって、心臓から拍出される血液量の増加は血圧を上昇させますが、これによって血管は拡張し、腎臓は塩分と水の排出を増やすため、血圧は低下する。しかし、動脈硬化があると動脈が硬くなり、通常ならば血圧を正常に下げるはずの拡張を妨げます。腎臓の動脈硬化性変化は、塩分と水を排出する腎臓の能力を低下させることがあり、これは血圧を高める傾向があります。

   
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