医師の処方箋(せん)なしで買える一般用医薬品(市販薬)について、インターネット販売を原則禁止にしたのは過大な規制だとして、ネット販売業者2社が販売できる権利の確認などを求めた訴訟の控訴審判決が26日、東京高裁であった。三輪和雄裁判長は業者側の請求を退けた一審・東京地裁判決を取り消し、販売を認める逆転判決を言い渡した。
市販薬のネット販売をめぐっては政府内でも規制緩和の議論が高まっており、国は現在の販売制度の見直しを迫られることになる。
控訴していたのは「ケンコーコム」(東京都港区)と「ウェルネット」(横浜市)。
厚生労働省は、改正薬事法で市販薬を副作用の危険性に応じ1〜3類に分類。省令で、危険性の高い1、2類には薬局などでの対面販売を義務づけ、ネット販売は3類しか原則認めないようにした。両社は1、2類を含む全体のネット販売を認めるよう求めていた。
高裁判決は、改正薬事法がネット販売の一律禁止を想定していたとは認められないと指摘。原則禁止にした省令について「法の趣旨の範囲を逸脱した違法な規定で、無効であると解釈すべきだ」とし、ネット販売できる権利を認めた。
ネット販売の禁止について、一審では「健康被害を防ぐための規制手段としての必要性と合理性を認めることができる」と容認していた。しかし、東京高裁では、「ネット販売された薬の副作用の実態把握が不十分で、省令で規制する合理性が裏付けられているとは言い難い」とした。